韓国で買った日焼け止めが日本で見つからないのは、配合の上限が国ごとに違うからです|日焼け止め成分の一つは韓国10%・日本は100g中3.0g、パラベンは韓国0.4%・日本1.0g

韓国コスメの配合の上限は国ごとに違います
韓国
違うのは輸入の有無ではなく、配合の上限の数字です
くらしとお金ラボ

韓国で買った日焼け止めが気に入って、帰国してから同じものを探す。ところが日本の店頭にもオンラインにも見当たらない。あるいは同じブランドの同じ商品名は見つかるのに、使い心地が記憶と違う。

「まだ日本に入ってきていないだけだろう」と考えたくなる場面ですが、理由がそこにないことがあります。化粧品に入れてよい成分と、その配合の上限が、日本と韓国で別々に決められているからです。

日本側の根拠は、厚生労働省の告示「化粧品基準」(平成12年9月29日 厚生省告示第331号)。韓国側の根拠は、食品医薬品安全処の告示「化粧品安全基準等に関する規定」です。数字が具体的に食い違う例を先に出すと、日焼け止めに使われるある紫外線吸収剤は韓国の上限が10%、日本は100g中3.0g。防腐剤のパラベン類は韓国が単一で0.4%・混合で0.8%、日本は合計量として1.0gです。

配合の上限が両国で違うことを示すカード ある紫外線吸収剤の上限が韓国10パーセント、日本は100グラム中3.0グラムであることを示すカード 同じ紫外線吸収剤、上限の書かれ方 韓国10%/日本100g中3.0g 上限が違えば、同じ処方のままでは売れません

1. 両国とも「リストに載っているものしか使えない」形をとっています

まず仕組みから見ます。日本の化粧品基準は、紫外線吸収剤についてこう書いています。化粧品に配合される紫外線吸収剤…は、別表第4に掲げる物でなければならない。防腐剤も同じ形で、別表第3に掲げる物でなければならないとされています。つまり、表に名前が無い成分は使えません。

韓国側も同じ形です。「化粧品安全基準等に関する規定」の第4条は、別表2の原料以外の防腐剤、紫外線遮断剤などは使用することができないとしています。表に無いものは使えない、ということです。

両方とも同じ設計なのに、載っている成分と数字がそろっていない。ここが分かれ目になります。ある成分が片方の表にしか無ければ、その成分を使った製品は、もう片方の国ではその処方のままでは売れません。実際、韓国の表にある「4-メチルベンジリデンカンフル」「ドロメトリゾール」は、日本の別表第4に該当する名前がありません。

日本の告示にはもうひとつ、上限の書き方についての注記があります。空欄は、配合してはならないことを示し、○印は、配合の上限がないことを示す。表の空欄は「制限なし」ではなく「使えない」という意味です。

告示に書かれた上限を、そのまま並べる
成分
日本(100g中)
韓国(使用上限)
ビス―トリアジン系の紫外線吸収剤
3.0g
10%
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸
3.0g
4%
パラメトキシケイ皮酸2―エチルヘキシル
20g
7.5%
4―tert―ブチル―4’―メトキシジベンゾイルメタン
10g
5%
ドロメトリゾールトリシロキサン
15.0g
15%

2. 上限は「韓国のほうが厳しい」とも「日本のほうが厳しい」とも言えません

比べてみると、方向はそろっていません。成分ごとに、どちらが高いかが入れ替わります。

日本の上限のほうが高い例。パラメトキシケイ皮酸2―エチルヘキシルは、日本の別表第4で粘膜に使用されることがない化粧品について100g中20g。韓国では7.5%です。4―tert―ブチル―4’―メトキシジベンゾイルメタンは日本10gに対し、韓国5%サリチル酸オクチルも日本10g、韓国5%です。

韓国の上限のほうが高い例。冒頭に出したビス―トリアジン系の紫外線吸収剤は、日本が3.0gで韓国が10%フェニルベンズイミダゾールスルホン酸は日本3.0g、韓国4%です。

そろっている例もあります。ドロメトリゾールトリシロキサンは日本15.0g・韓国15%。オクトクリレンサリチル酸ホモメンチルはどちらも10g・10%。防腐剤のフェノキシエタノールも、日本1.0g・韓国1.0%です。

ここで書き方に注意が要ります。日本の告示は100g中の最大配合量(g)、韓国の告示は%という単位で書かれています。本稿では、この2つを換算せず、告示に書かれた表記のまま並べています。剤形によって同じ数字にならない場合があるためです。

3. 防腐剤のパラベン類は、上限の刻み方そのものが違います

数字より先に構造が違う例が、防腐剤のパラベン類です。

日本の別表第3は、パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩合計量として1.0と定めています。単一で使おうが複数を組み合わせようが、合計が上限になる書き方です。

韓国の別表2は、同じ成分群について単一成分の場合は0.4%(酸として)混合して使用する場合は0.8%(酸として)としています。単一で使うときと混ぜて使うときで、上限が2段階に分かれています。

つまり韓国では、パラベンを1種類だけ使うか複数を組み合わせるかで、設計できる範囲が変わります。日本では合計1.0gという一本の線です。同じ「パラベンを使った化粧品」でも、処方を組む前提が違うということになります。

帰国前に見るのは、この3つ 1
気に入った品の成分表示を、その場で写真に撮っておく
2
日本で売られている同名の品と、成分表示の並びを見比べる
3
並びが違うなら、次に渡韓したときに買い足す対象に入れる

4. 買う前に見るのは、成分表示の1行です

ここまでを踏まえると、店頭でやることは1つに絞れます。気に入った品の成分表示を写真に撮っておく。それだけです。

化粧品の成分表示は、配合量の多い順に並ぶのが通例です。日焼け止めなら、紫外線吸収剤の名前がどのあたりに出てくるかで、おおよその位置づけが見えます。上限が両国で違う成分が上のほうに来ている品ほど、日本向けに同じ処方が組めない可能性があるということになります。

ただし、個別の商品の実際の配合率は公表されていないことがほとんどです。本稿でも、特定のブランドや商品の配合率には触れていません。分かるのは並び順使われている成分名までです。

それでも、実務上はここで足ります。日本の店頭で同じ名前の品を見つけたとき、成分表示の並びが韓国で買ったものと違っていれば、中身が同じとは限らない。そう判断できれば、探し回る時間は減ります。

逆に、並びがそろっているなら、日本で買い足すほうが早いという結論になります。値段の比較は別記事で扱っています。

5. 無機の遮蔽成分については、表の立て方から違います

もう一段、構造の話をします。韓国の別表2には、酸化亜鉛酸化チタンが紫外線遮断成分として載っていて、どちらも25%という上限が書かれています。

日本の別表第4には、この2つの名前がありません。日本の告示は紫外線吸収剤を紫外線を特異的に吸収する物と定義していて、光を散乱させる無機の粉体は、この表の枠組みでは扱われていないためです。

「ノンケミカル」「紫外線散乱剤」といった売り方をしている品は、この無機の粉体を主役にしたものです。韓国では上限の数字が表に明記されていて、日本では別表第4の外にある。同じ製品カテゴリーでも、根拠となる条文の場所が両国で違うということになります。

なお韓国の告示には、こういう注意書きもあります。製品の変色防止を目的として、その使用濃度が0.5%未満であるものは、紫外線遮断製品として認めない。成分名が載っていても、濃度が低ければ日焼け止めとして扱わない、ということです。成分名が載っているだけでは日焼け止めにならない、という線引きが条文に置かれています。

6. 持ち帰るときに確認する先

多めに買って持ち帰る場合、個人が自分で使う分の持ち帰りと、販売目的の輸入では手続きが違います。本稿では厚生労働省の輸入手続きの資料を取得していないため、持ち帰れる個数の上限は書きません。数量が多くなりそうなときは、所管の窓口の案内をご覧ください。

免税店で買った場合の受け取り方には別のルールがあり、これは既存の記事で扱っています。市内の免税店で買った品をその場で持ち帰れるかどうかは、そちらをご覧ください。

出典と確認時点
この記事は2026年8月16日時点で、厚生労働省の告示「化粧品基準」(平成12年9月29日 厚生省告示第331号)の原文PDFと、韓国 食品医薬品安全処の告示「化粧品安全基準等に関する規定」の原文PDFを取得し、両方の別表に書かれた数値を並べて整理した一般的な内容です。日本側は「100g中の最大配合量(g)」、韓国側は「%」という、告示それぞれの表記をそのまま用いており、換算はしていません。個別のブランド・商品の実際の配合率、日本で流通している製品が国内向けに処方を変えているかどうかの個別の事実、化粧品を持ち帰れる個数の上限、成分の安全性の評価については、本稿では確認していません。告示は改正されることがあります。最終的な内容は、それぞれの所管官庁の公式サイトでご確認ください。

要点の確認

  • 日本も韓国も、防腐剤と紫外線吸収剤は表に載っているものしか使えない形をとっている
  • 日本は別表第4に掲げる物でなければならない、韓国は別表2の原料以外の紫外線遮断剤などは使用することができない
  • 上限は成分ごとに入れ替わる。ビス―トリアジン系は日本3.0g・韓国10%、パラメトキシケイ皮酸2―エチルヘキシルは日本20g・韓国7.5%
  • パラベン類は刻み方が違う。日本は合計1.0g韓国は単一0.4%・混合0.8%
  • 酸化亜鉛と酸化チタンは韓国の表では25%日本の別表第4には名前が無い
  • 店頭でできるのは成分表示を写真に撮ることまで。個別の配合率は公表されていない
  • 数量が多い持ち帰りは、所管の窓口の案内で確認する

気に入った1本の成分表示を残しておく。日本の店頭で同じ名前を見つけたとき、比べる材料はそれで足ります。

両国の告示は改正されます。別表の成分や上限の数値に変更が確認でき次第、本記事も見直します。

あわせて読みたい
韓国コスメはどこから回る?まずオリーブヤング、余裕があれば免税店とロードショップの順で
韓国コスメはどこが安い?「韓国で買えば必ず安い」とは限りません。日本のセール価格と比べてから
市内免税店で買った商品、その場で持ち帰れる?持ち帰れません。受け取りは出国審査後の空港です

次の一歩を始めませんか?
気に入った1本の成分表示を写真に残して、日本の店頭で並びを見比べるところから。
くらしとお金ラボ

コメント

📔 韓国の「いま」を、日程に落とし込む

公式ソースで裏取りした現地情報を、3泊4日の日程表・予算表・出発前チェックリストにまとめた合本をnoteで公開しています。

▶ 2026年夏、ソウル3泊4日の完全設計(1,200円)

単発でも読めます:漢江の夜間プール釜山のコンビニ(各300円)/無料記事

このブログの人気の投稿

仁川空港の混み具合は、公式が2日前から時間帯別に出しています|1時間に5,500人を超えるとRED、ソウル駅で先に預けるなら出発3時間前が締切です

インフルエンザの予防接種はいつ受ける?例年12月中旬までが目安です

2026年のチュソク(秋夕)は9月25日、連休は9月24〜26日