ふるさと納税、ポータル経由のポイント付与は2025年10月から禁止です|2027年の寄付からは特例控除に合計193万円の上限

「今年もポータルサイトのポイント目当てで寄付先を選ぼう」——そう考えている場合、その前提はすでに変わっています。2025年10月1日から、ポータルサイトが寄付額に応じて付与するポイントなどの経済的利益は禁止されました。
ただし、これは通常のクレジットカード決済で付くポイントを一律に禁止するものではありません。この2つは混同しやすいので、本文で区別して説明します。さらに、財務省が2025年12月26日に公表した「令和8年度税制改正の大綱」により、2027年中の寄付からは住民税の特例控除に合計193万円の上限が加わることが確定しました。
1. 2025年10月:ポイント付与の禁止と、クレジットカードのポイントは別の話
2025年10月1日から、寄付額に応じてポイントなどの経済的利益を提供するポータルサイトを通じた寄付の募集が禁止されました(総務省告示 令和7年総務省告示第220号・令和7年6月24日公布)。「どのポータル経由が一番お得か」という比較そのものが、ここで意味を失ったことになります。
一方で、決済手段としてクレジットカードを使った際にカード会社側から通常どおり付くポイントは、今回の禁止の対象ではありません。禁止されているのはポータルサイトが寄付額に連動させて独自に上乗せする経済的利益であり、カード決済の仕組み自体を止めるものではないという点は、総務省の説明で確認できます。
2. 2024年10月:宿泊・旅行券の地域限定ルール
複数地域で展開する共通ブランドの宿泊施設については、1人1泊5万円を超える宿泊分は、原則として寄付先の自治体の区域内にある施設でのみ利用可能となりました。5万円以下の場合は、その自治体が属する都道府県内の施設まで認められることがあります。
高額な宿泊券を「どこでも使える券」として期待するのは、現在のルールでは難しくなっています。
3. 2023年10月から続く「経費5割ルール」
自治体が寄付募集にかけられる経費は、寄付額の50%以下に抑える必要があります。しかもこの50%には、ポータルサイトへの手数料全額、寄付金受領証の発行、ワンストップ受付、兼任職員の人件費まで含まれます。
返礼品の内容が以前より控えめに感じられる背景には、こうした基準の厳格化があります。
4. これまでどおり変わらない仕組み
- 寄付額のうち2,000円を超える部分が所得税・住民税の控除対象
- 「自己負担2,000円で済む上限」は所得・家族構成などで変わる(住民税特例分は所得割額の20%が限度)
- ワンストップ特例は、確定申告が不要な給与所得者などで、寄付先が年間5自治体以内の場合に利用可能
ポイント
ワンストップ特例の申請期限は寄付した翌年の1月10日「必着」です。オンライン申請も原則同じ期限。年末ギリギリの寄付ほど、この締切に注意が必要です。
5. これから変わること(財務省の税制改正の大綱で確定)
財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日公表)の個人住民税(4)により、指定基準と特例控除の上限が段階的に見直されます。
- 指定基準の追加:受領寄附金から募集費用を差し引いた「寄附金活用可能額」が、寄附金合計額の一定割合以上であることが求められます。2026年10月1日以後の指定から適用され、割合は52.5%(2026年10月〜2027年9月の指定対象期間)→55%→57.5%→60%へ段階的に引き上げられます
- 使途の公表義務:寄附金活用可能額の使い道の公表が、指定基準に追加されます
- 特例控除額に合計193万円の上限を新設:住民税の特例控除額は、現行の「所得割額の2割」と、道府県民税77万2千円(指定都市在住者は38万6千円)+市町村民税115万8千円(指定都市在住者は154万4千円)=合計193万円のいずれか低い方に変わります。令和10年度分(2028年度分)の個人住民税から適用され、通常は2027年中の寄付から影響します
- 指定取消後の再指定制限が2年間→3年以内の期間に強化(令和8年4月1日以後の基準違反に係る取消しから適用)、指定取消しの遡及期間も指定対象期間の初日前1年以内→前4年以内に拡大(令和7年10月1日以後の基準違反から適用)
注意:ここでいう193万円は寄付額そのものの上限ではありません。あくまで住民税の特例控除額(特例分)にかかる上限であり、対象になるのは住民税所得割額が大きい高所得層です。大半の寄付者にとっては、これまでどおり所得割額の2割が実質的な上限のままです。
6. やりがちな失敗
- 上限超え:限度額を超えた分は控除されず、そのまま自己負担になります
- 名義違い:配偶者名義の寄付を自分の控除にはできません。寄付者・受領証の名義は控除を受ける本人である必要があります
- ワンストップの無効化:6自治体以上に寄付した場合、または医療費控除などで確定申告をした場合は特例が使えません(申告書にすべての寄付を記載し直す必要があります)
注意
指定基準や控除の上限は年ごとに見直されています。本文の数値は2026年8月時点で公表されている財務省・総務省の公式情報にもとづく整理です。実際の限度額や手続きは、総務省・国税庁およびお住まいの自治体の案内でご確認ください。
この記事の結論
- 2025年10月からポータル経由のポイント付与は禁止。カード決済のポイント自体が消えるわけではない
- 宿泊券は5万円超なら寄付先自治体内限定、返礼品全体も経費5割ルールで引き締め
- 2,000円の自己負担・ワンストップ5自治体以内・翌年1月10日必着は変わらず
- 2027年の寄付からは、住民税の特例控除に合計193万円の上限が新たに加わる(高所得層が対象)
指定基準は毎年見直されます。次の改正が公表され次第、この記事を更新します。
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