韓国の飲食店の全面禁煙に、広さの下限はありません|2015年1月1日からすべての営業所が対象、禁煙区域で吸うと10万ウォン以下の過料

韓国の飲食店は広い店だけが禁煙で、小さな店ならまだ吸えるのではないか。喫煙する方と一緒に旅行するとき、この点が引っかかったまま出発する方は少なくないと思います。過去に面積で線が引かれていた時期があったことも、この受け止め方が残っている理由でしょう。
ただ、韓国の国民健康増進法とその施行規則を実際に開くと、面積の線はすでに引かれていません。施行規則第6条第1項は、全体を禁煙区域として指定しなければならない飲食店の範囲を年で区切って書いており、最後の区分が2015年1月1日から:すべての営業所です。そして法第9条第8項は何人も指定された禁煙区域で喫煙してはならないと定め、違反した人には10万ウォン以下の過料が科されます。
1. 施行規則が書いているのは「2015年1月1日から、すべての営業所」です
法律の側は、禁煙区域にしなければならない施設を第9条第4項で号ごとに並べています。飲食店は第24号にあり、そこには営業場の広さが保健福祉部令で定める広さ以上の休憩飲食店営業所、一般飲食店営業所および製菓店営業所と書かれています。つまり、法律は広さの線を自分で引かず、下位の規則に投げているという構造です。
その保健福祉部令が施行規則です。第6条第1項は、対象になる営業所を三つの区分で書いています。2013年12月31日まで:150平方メートル以上の営業所、2014年1月1日から2014年12月31日まで:100平方メートル以上の営業所、そして2015年1月1日から:すべての営業所です。
読み方の要点は、これが段階的に下がっていった経過を条文がそのまま残している、という点です。150平方メートル以上という数字も、100平方メートル以上という数字も、条文の中には今も書かれています。ただしそれは過去の期間に対応する区分であって、現在に適用される区分ではありません。現在に対応するのは最後の行、すべての営業所だけです。
ここが「小さい店なら吸える」という受け止め方が生まれる分かれ目でもあります。条文に面積の数字が残っているので、その数字が今も生きているように見える。しかし年の区切りまで一緒に読むと、面積の条件はすでに役目を終えていることが分かります。
同じ第6条の第2項は、室内の休憩空間を設けた食品自動販売機の営業所についても2019年1月1日から:室内休憩空間があるすべての営業所としています。こちらも同じ書き方です。
2. 喫煙室は設置できます。ただし施設全体は禁煙区域のままです
次に、店の中に喫煙室がある場合の扱いです。法第9条第4項は、まず当該施設の全体を禁煙区域として指定し、禁煙区域であることを知らせる表示を設置しなければならないと義務を書いたうえで、その後段にこの場合、喫煙者のための喫煙室を設置することができると続けています。
順番が大事です。全体を禁煙区域にするのが先で、喫煙室はその上に置かれる例外という組み立てになっています。喫煙室があるから店全体の禁煙が外れる、という関係ではありません。喫煙室の外は禁煙区域であり、そこで吸えば第8項の違反になります。
また、禁煙区域を知らせる表示と喫煙室を設置する基準・方法などは保健福祉部令で定めるとされ、施行規則第6条第4項がその基準を別表2に置いています。この別表2の中身までは本稿では確認していませんので、喫煙室がどういう構造や表示を備えていなければならないかについては、ここでは書きません。
旅行者の立場で使える形にすると、こうなります。喫煙室が用意されているかどうかは店ごとに違い、条文は設置を義務づけていません。設置することができるという書き方です。あることを前提に行程を組まないほうが安全です。
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3. 旅行中に入る施設は、ほとんどが条文の一覧に載っています
第9条第4項の各号を、旅行者が実際に足を運ぶ順に並べ替えると、対象の広さが見えてきます。
宿については第19号に観光振興法による観光宿泊業所が入っています。浴場は第22号の公衆衛生管理法による浴場です。買い物では第18号に流通産業発展法により開設登録された大規模店舗と、地下道にある商店街が並びます。移動では第14号に空港・旅客埠頭・鉄道駅・旅客自動車ターミナルなど交通関連施設の待合室・乗降場、地下歩道、そして16人乗り以上の交通手段で旅客または貨物を有償で運送するものが挙げられています。
屋内で時間をつぶす場所も入っています。第17号は客席数300席以上の公演場、第20号は1千人以上の観客を収容できる体育施設に加えて室内に設置された体育施設、第23号は青少年ゲーム提供業所、一般ゲーム提供業所、インターネットコンピュータゲーム施設提供業所および複合流通ゲーム提供業所、第25号は漫画貸与業所です。第11号の図書館、第8号の医療機関・保健所、第21号の社会福祉施設も並びます。
建物そのものが対象になる号もあります。第16号は延べ面積1千平方メートル以上の事務用建築物、工場および複合用途の建築物です。そして第26号の委任を受けた施行規則第6条第3項が、高速国道に設置した休憩施設(給油所、充電所および交通・観光案内所を含む)とその付属施設を対象に加えています。地方へ長距離バスで移動する行程では、途中のサービスエリアもここに含まれる、ということです。
学校関係はさらに広く、第6号の学校は校舎と運動場など全ての区域を含むと明記されています。
4. 建物の外でも禁煙区域になる場所があります。境界線から30メートル以内
外に出れば大丈夫、という感覚がいちばん危ないところです。第9条第6項は、自治体の長が禁煙区域として指定し、案内表示を設置しなければならない場所を三つ挙げています。幼稚園施設の境界線から30メートル以内の区域、保育所施設の境界線から30メートル以内の区域、初中等教育法による学校施設の境界線から30メートル以内の区域です。いずれも括弧書きで一般公衆の通行・利用などに供された区域と限定されており、要するに施設の外側の歩道などが対象になります。
さらに第7項があります。地方自治体は、必要と認める場合、条例で多数人が集まりまたは行き交う管轄区域内の一定の場所を禁煙区域として指定することができるという内容です。バス停の周辺や広場などが条例で指定されることがあり得る、という構造がここに書かれています。
そして第8項が、何人も、第4項から第7項までの規定により指定された禁煙区域で喫煙してはならないと受けます。第6項と第7項も対象に含まれている点が重要です。屋外であっても、指定されていればそこは禁煙区域です。
個別の自治体が条例でどこを指定しているかまでは、本稿では確認していません。ここで書けるのは、屋外にも指定の仕組みがあり、案内表示の設置が義務づけられているという一段上の事実までです。だからこそ、路上で吸う前に足元と壁面の表示を確かめる意味があります。
5. 吸ってしまった場合の過料は10万ウォン以下。減免の規定もあります
罰の側を条文で確かめます。第34条第3項第2号は、第9条第8項に違反して禁煙区域で喫煙をした人に対して10万ウォン以下の過料を科すると定めています。金額の上限であり、いくら科されるかは条文からは決まりません。
同じ第34条には第5項があり、過料の納付対象者が大統領令で定めるところにより一定の教育または禁煙支援サービスを受けた場合、市・道知事または市長・郡守・区庁長は過料を減免することができると書かれています。減免することができるという書き方で、受ければ必ず減免されると読める条文にはなっていません。教育や禁煙支援サービスの具体的な中身は大統領令に委ねられており、本稿では確認していません。
施設の側にも罰があります。第9条第9項は、施設の所有者・占有者・管理者が禁煙区域を指定しなかったり表示を設置しなかったりした場合、また表示や喫煙室の設置基準・方法に違反した場合に、期間を定めて是正を命じられると定めています。この是正命令に従わなかった者には、第34条第1項により500万ウォン以下の過料です。人に科される額の50倍が上限として用意されている、という関係になります。
6. 表示は必ずある、という前提で動けます
行程に落とすときに一番使える条文が、実は表示の義務です。第9条第4項は、施設の側に禁煙区域であることを知らせる表示を設置しなければならないと義務づけており、第6項の屋外の区域についても案内表示を設置しなければならないとしています。表示を出していない、あるいは基準に反する表示を出している施設には是正命令が飛ぶ仕組みです。
裏を返すと、旅行者ができる確認はとても単純になります。入った場所で表示を1枚探す。それだけで、そこが禁煙区域かどうか、喫煙室が用意されているかどうかの手がかりが得られます。灰皿が置いてあるかどうかで判断するより、条文が義務づけている表示を見るほうが確実な手順です。
喫煙する方と一緒に旅行する場合は、食事の店を決めるときに喫煙室の有無を先に聞いておく、という一手間で卓の空気が変わります。条文上、喫煙室は設置することができるものであって義務ではないため、無いほうが標準だと考えておくほうが行程は崩れません。
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出典と確認時点
この記事は2026年8月5日時点で、韓国「国民健康増進法」(国家法令情報センターのオープンAPIで取得。https://www.law.go.kr/DRF/lawService.do?OC=test&target=law&type=XML&MST=285763 /公布日2026年4月30日・施行日2026年4月30日)および同「施行規則」(同API。https://www.law.go.kr/DRF/lawService.do?OC=test&target=law&type=XML&MST=273653 /公布日2025年9月11日・施行日2025年10月2日)の条文を確認して整理した一般的な内容です。喫煙室の設置基準を定める施行規則別表2の中身、および地方自治体の条例で指定された個別の禁煙区域については、本稿では確認していません。過料の実際の賦課額や運用は本稿の一次資料には示されていません。法令は改正されることがあります。
店に入って掲示を確かめるという手順は、深夜にコンビニで薬を探すときにも同じように使えます。韓国のコンビニで買える薬は登録した店だけ(1回に1包装まで)
要点の確認
- 飲食店を全面禁煙にする範囲は、施行規則第6条第1項で2015年1月1日から:すべての営業所とされている
- 条文に残る150平方メートル以上・100平方メートル以上は、それぞれ2013年までと2014年の区分で、現在に対応する区分ではない
- 施設は全体を禁煙区域に指定し、表示を設置するのが義務。喫煙室は設置することができるという任意の規定
- 対象には観光宿泊業所・浴場・大規模店舗・地下商店街・交通関連施設の待合室と乗降場・室内の体育施設・高速国道の休憩施設などが並ぶ
- 屋外でも幼稚園・保育所・学校の境界線から30メートル以内は禁煙区域。さらに自治体は条例で場所を追加指定できる
- 禁煙区域で吸った人への過料は10万ウォン以下。一定の教育などを受けた場合に減免することができるという規定がある
- 施設側が是正命令に従わなかった場合の過料は500万ウォン以下
入った場所で表示を1枚探す。この一手間だけで、旅行中に過料の話にまで発展する事態は避けられます。
法令や条例は改正されることがあります。条文の内容に変更があり次第、本記事の記述を更新します。
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