韓国の大型スーパーが休む日は「第2・第4日曜」とは限りません|法律が決めているのは毎月2日だけで、平日に回っている地域もあります

韓国の大型スーパーには休みの日がある、しかもそれは第2・第4日曜だ。旅行の買い出し計画を立てるときに、この形で覚えている方は多いと思います。その日さえ外せば大丈夫、という前提で日程を組んでいる方もいるはずです。
ところが、韓国の「流通産業発展法」の条文を実際に開いてみると、第2日曜という文字も第4日曜という文字も出てきません。法律が定めているのは毎月2日を義務休業日として指定しなければならないという日数だけで、それが何曜日になるかは当該地方自治体の条例で定めると書かれています。つまり休む曜日は地域ごとに違い、条件を満たせば平日に指定することもできるということです。
1. 条文にあるのは「毎月2日」という日数だけです
流通産業発展法の第12条の2は、大規模店舗等に対する営業時間の制限などを定めた条文です。その第3項に、義務休業日の中身が書かれています。
原文の趣旨をそのまま訳すと、毎月2日を義務休業日として指定しなければならない、そしてこの場合、義務休業日は公休日の中から指定するが、利害当事者と合意を経れば公休日でない日を義務休業日として指定できるとなっています。
ここで押さえておきたいのは二つです。ひとつは、法律のレベルで固定されているのが「月に2日」という回数だけであること。もうひとつは、公休日から指定するのが原則だが、それは絶対ではないということです。利害当事者との合意という手順を踏めば、公休日でない日、つまり平日を義務休業日にすることが条文上はっきり認められています。
そして第4項には、営業時間の制限および義務休業日の指定に必要な事項は当該地方自治体の条例で定めると書かれています。実際に何曜日が休みになるかは、店舗のある自治体の条例を見なければ分からない、という構造です。この条文は[全文改正 2013.1.23]として現行の形になっています。
2. 「第2・第4日曜」は通説であって、法律の指定ではありません
日本語でも韓国語でも、韓国の大型スーパーの休みを「第2・第4日曜」と説明する記述は広く見かけます。実際にその曜日で運用している地域が多いことが、この言い方が定着した背景だと考えられます。
ただし、これはあくまで運用の結果として広く言われていることであって、法律の条文にその曜日の指定は存在しません。条文が決めているのは月2日という回数と、公休日から選ぶという原則、そして合意があれば公休日以外でもよいという例外だけです。
この違いは、旅行者にとっては実害のある違いになります。「第2・第4日曜を避けたから大丈夫」という組み立ては、条文上の根拠を持っていません。行く先の自治体が平日を休業日に指定していれば、日曜を避けても閉まっている日に当たります。逆に、日曜に開いている地域もあり得るということでもあります。
なお、個別の自治体ごとの条例の内容までは本稿では確認していません。ここで書けるのは、法律が地域差を許す構造になっている、という一段上の事実までです。どの地域が何曜日なのかは、行く店舗の営業案内で確かめてください。
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3. 休むのは大型マートと準大規模店舗。百貨店や専門店は別の分類です
次に効いてくるのが、そもそも誰が休むのか、という点です。第12条の2 第1項は、命令の対象を大型マート(大規模店舗に開設された店舗で大型マートの要件を備えた店舗を含む)と準大規模店舗に限定して書いています。
「大型マート」は法律の別表で定義された種類のひとつです。別表によると、大型マートは政令で定める用役の提供場所を除いた売場面積の合計が3千平方メートル以上で、食品・家電および生活用品を中心に、店員の手を借りずに消費者へ小売する店舗の集団とされています。自分でカゴを持って回る、あの形式が定義に書き込まれているわけです。
同じ別表には専門店と百貨店も並んでいます。専門店は同じく3千平方メートル以上で、衣類・家電または家庭用品など特定品目に特化した店舗の集団。百貨店は同じく3千平方メートル以上で、多様な商品を購入できるよう現代的販売施設と消費者便益施設が設置され、直営の比率が30パーセント以上の店舗の集団です。
そして準大規模店舗は第2条第4号の定義で、大規模店舗を経営する会社またはその系列会社が直営する店舗などのうち政令で定めるもの、とされています。大型スーパー系列の小型店が該当する枠です。
整理すると、第1項が名指ししているのは大型マートと準大規模店舗であり、専門店と百貨店は別の分類として定義されています。買い出しの動線を組むときは、この区分が実務的に効いてきます。
4. 朝いちの買い出しにも制限がかかります。範囲は午前0時から午前10時まで
義務休業日ばかりが話題になりますが、第12条の2 第1項には命令の種類が二つ書かれています。1. 営業時間の制限と2. 義務休業日の指定です。休業日だけでなく、開いている日の営業時間そのものにも制限をかけられる仕組みになっています。
その範囲を定めているのが第2項で、午前0時から午前10時までの範囲で営業時間を制限できる、と書かれています。裏を返せば、この時間帯の外、たとえば昼や夕方を制限することはできません。制限がかかり得るのは深夜から午前中にかけての枠だけです。
旅行者の行程に置き換えると、ホテルを出て朝いちで大型スーパーへ向かうという動き方が、制限に当たる可能性のある時間帯にちょうど重なります。空港へ向かう前の午前中に土産の買い出しを入れている場合は、その店舗の開店時刻を先に確かめておくのが安全です。何時からになっているかは条例で決まるため、本稿では具体的な時刻を書きません。
逆に言えば、午前10時より後の時間帯であれば、営業時間の制限を理由に閉まっていることはないという読み方もできます。買い出しを昼以降に寄せておけば、時間帯の制限そのものは回避できるということです。残るのは義務休業日の当たり外れだけになります。
5. 例外もあります。農水産物の比重が55パーセント以上の店舗
第1項にはただし書きがあります。年間総売上高のうち農水産物の売上比重が55パーセント以上の大規模店舗等で、当該自治体の条例で定めるものは、命令の対象から除かれるという内容です。
この除外にも条例で定めるものという条件が付いている点に注意が必要です。55パーセントという数字を満たしていれば自動的に外れるわけではなく、自治体の条例がその店舗を除外対象として定めていることが前提になります。ここでも最終的な線引きは条例に委ねられています。
制度の目的も条文に書かれています。第1項は命令の理由として、健全な流通秩序の確立、労働者の健康権、大規模店舗等と中小流通業の相生発展の三つを挙げています。大型店の休みは、単なる定休日ではなく、地域の小売業と働く人を意識した政策として設計されているということです。
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6. 守らなかった場合の過料は1億ウォン以下です
この制度が形式的なものではないことは、罰則の重さからも読み取れます。第52条第1項は、営業制限時間に営業をした者および義務休業命令に違反した者に対して、1億ウォン以下の過料を科すると定めています。
旅行者に直接関わる条文ではありませんが、押さえておく意味はあります。これだけの過料が用意されている以上、対象の店舗が休業日に「今日は特別に開けます」と運用することは想定しにくい、ということです。休業日に当たってしまったら、その日は開かないものとして代案に切り替えるのが現実的な判断になります。
7. 買い出しで空振りしないための組み立て方
ここまでを行程づくりの言葉に置き換えます。まず、買い出しの日を1日しか取っていない場合が一番危ないということです。休業日が月に2日ある以上、単純計算でも一定の確率で当たります。そこに曜日が地域によって違うという要素が乗ります。
次に、時間帯を昼以降に寄せることです。営業時間の制限がかかり得るのは午前0時から午前10時までの範囲に限られているので、午後の買い出しであれば時間帯の制限は関係なくなります。
最後に、代わりに寄る先を先に決めておくことです。命令の対象として名指しされているのは大型マートと準大規模店舗であり、専門店や百貨店は法律上の分類が異なります。買うものによっては、行き先を差し替えることで一日を無駄にせずに済みます。
出典と確認時点
この記事は2026年8月5日時点で、韓国「流通産業発展法」の条文(国家法令情報センターのオープンAPIで取得。https://www.law.go.kr/DRF/lawService.do?OC=test&target=law&type=XML&MST=283979 )を確認して整理した一般的な内容です。義務休業日の曜日や営業時間の制限の具体的な時刻は各地方自治体の条例で定められますが、個別の自治体ごとの条例の内容までは本稿では確認していません。実際の休業日と営業時間は、訪れる店舗の営業案内でご確認ください。法令は改正されることがあります。
要点の確認
- 法律が定めているのは毎月2日を義務休業日として指定することだけで、条文に「第2・第4日曜」という指定は無い
- 義務休業日は公休日の中から指定するのが原則だが、利害当事者と合意を経れば公休日でない日も指定できる
- 実際の曜日や時刻は当該地方自治体の条例で定めるため、地域によって違う
- 命令の対象は大型マートと準大規模店舗。専門店と百貨店は別の分類として定義されている
- 大型マートの定義は売場面積の合計3千平方メートル以上で、店員の手を借りずに小売する店舗の集団
- 営業時間の制限をかけられる範囲は午前0時から午前10時まで。それより後の時間帯は対象外
- 年間総売上高のうち農水産物の比重が55パーセント以上で条例に定めるものは対象から除かれる
- 営業制限時間の営業や義務休業命令の違反には1億ウォン以下の過料
買い出しの日を決める前に、行く店舗の営業案内を一度だけ開く。それだけで、袋を用意して出かけたのに閉まっていた、という一日を避けられます。
法令や条例は改正されることがあります。条文の内容に変更があり次第、本記事の記述を更新します。
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