韓国の宿で予約したあとに払うことになるお金は、キャンセル料・付加価値税・サービス料の3つです|公正取引委員会の基準では夏は7月15日〜8月24日が繁忙期、その週末の前日取消は総料金の90%控除の区分です

宿の予約画面で表示されている金額を見て、確定を押す。そのあとに追加で払うことになるお金は、大きく3つあります。キャンセル料、付加価値税、サービス料です。
このうち、金額の振れ幅がいちばん大きいのがキャンセル料です。そして韓国には、この場面についての公的な目安があります。公正取引委員会の告示「消費者紛争解決基準」です。
そこには、繁忙期の日付まで書かれています。夏は7月15日から8月24日、冬は12月20日から2月20日。週末の定義も金曜日と土曜日の宿泊、祝日前日の宿泊と書かれています。
そのうえで、繁忙期の週末に前日または当日キャンセルした場合の区分は総料金の90%控除後に返金。同じ前日キャンセルでも、閑散期の平日なら10%控除です。泊まる日が違うだけで、戻る額がここまで変わります。
1. この基準は何なのか
先に性格をはっきりさせておきます。消費者紛争解決基準は、公正取引委員会の告示です。第1条に目的が書かれていて、上位の法律とその施行令の規定にもとづき、消費者と事業者の間に発生した紛争が円滑に解決されるよう具体的な合意または勧告の基準を提示することとされています。
つまり、これ自体が強制的な料率ではありません。実際の返金額は、まず宿や予約サイトの約款で決まります。ただし約款に定めがない場合や、話し合いになったときの目安として、この告示が使われます。
繁忙期の扱いについても、告示の備考欄がそう書いています。「繁忙期は事業者が約款に表示した期間を適用するが、約款に関連する内容がない場合には該当の期間を適用する」。そのうえで、夏は7月15日から8月24日、冬は12月20日から2月20日という日付が示されています。
2. 4つの区分に分かれています
宿泊業の基準は、泊まる日を4つに分けています。繁忙期の平日/繁忙期の週末/閑散期の平日/閑散期の週末です。
週末の定義は、備考欄に金曜日と土曜日の宿泊、祝日前日の宿泊と書かれています。日曜の夜は週末に含まれていません。チェックインする曜日ではなく「宿泊」で数える点にも注意が要ります。
そして、取消の時期による段階が定められています。以下は消費者の側の事情で契約を解除した場合の区分です。
閑散期の段階は繁忙期より粗く、平日は2日前まで契約金の返金、1日前は10%控除、当日または連絡なしの不参は20%控除。週末は2日前まで契約金の返金、1日前は20%控除、当日または連絡なしの不参は30%控除です。
連絡なしについても定義があります。「消費者が使用当日の使用予定時刻までに通報がない場合には使用当日の取消とみなす」。黙って行かなくても、当日取消として扱われます。
3. 宿の側の事情なら、逆に賠償です
同じ表に、事業者の責による解除の欄もあります。こちらは控除ではなく、契約金の返金に加えて総料金の一定割合を賠償するという構成です。
繁忙期の平日なら、7日前までの解除で総料金の10%、5日前までで30%、3日前までで50%の賠償。繁忙期の週末なら、それぞれ20%、40%、60%です。1日前または当日の解除は「損害賠償」とだけ書かれています。
数字が消費者側の控除率と同じ並びになっているのが分かります。基準としては対称に作られている、ということです。
4. 天候と、広告が違ったとき
表の後半に、旅行者にとって重要な2つの項目があります。
ひとつ目は気候変化および天災地変です。消費者が宿泊地域へ移動できない、または宿泊施設を利用できないために宿泊当日に契約を取り消す場合、移動手段(航空機など)の利用が不可能なときも、利用が不可能なときも、契約金を返金とされています。
ここでいう気候変化・天災地変にも定義があります。①気象庁が強風・風浪・豪雨・大雪・暴風海溢・地震海溢・台風・火山の注意報または警報(地震を含む)を発令した場合、②中央行政機関または地方自治体により注意報や警報が発令され、それに伴い車両移動などが統制された場合です。
ふたつ目は虚偽・誇大または欺瞞的な表示・広告をした場合。この場合も契約金を返金とされています。
気象庁の特報がどんな数字を基準に発表されるのかは、冬の体感温度の記事で式から確かめられます。寒波注意報の基準と、風速で決まる冬の体感温度の算出式
5. 付加価値税は10%です
2つ目のお金に移ります。韓国の付加価値税法第30条は付加価値税の税率は10パーセントとすると定めています。
予約サイトの表示が税込なのか税別なのかは、サイトや施設によって書き方が違います。表示額の内訳が分かれている場合、この10%がどこに含まれているかを確認しておくと、現地での請求書と突き合わせやすくなります。
6. サービス料には条文上の条件があります
3つ目がサービス料(奉仕料)です。付加価値税法の施行令第61条第4項に、はっきりした条件が書かれています。
事業者が飲食・宿泊の役務や個人サービスの役務を供給し、その対価とともに受け取る従業員の奉仕料を、税金計算書・領収書またはクレジットカード売上伝票などにその対価と区分して記載した場合で、その奉仕料を当該従業員に支払った事実が確認される場合には、その奉仕料は供給価額に含めない。ただし、事業者がその奉仕料を自らの収入金額に計上する場合は、この限りでない。
読み替えると、サービス料が付加価値税の対象から外れるには「請求書の上で対価と区分されていること」と「従業員に渡っていることが確認できること」の2つが要る、ということです。請求書にサービス料の行が独立して立っているのは、この条文の構造に対応しています。
7. デポジットについて
チェックイン時にカードで一定額を仮押さえされる、いわゆるデポジットについても触れておきます。
本稿で取得した一次資料の範囲では、宿泊業のデポジットについての基準を確認できませんでした。金額も相場も書きません。実務としては施設ごとの取り決めになっているとみられますが、それを裏づける公的な資料を本稿は持っていません。
予約ページや施設の案内に記載があるかどうかを、予約前にご確認ください。カード決済にまつわる別の論点(ウォン建てで決済するかどうか)は、別の記事で扱っています。
予約サイトの規約を開いて「デポジット」が何か所あるか数えたこと(2026年8月24日)
公的な基準が見つからないぶん、次に開くべきなのは予約サイト側の規約です。アゴダの利用規約(agoda.com の利用規約・バージョン6.3、施行日2026年7月10日)を全文で見ると、7万字ほどある中で「デポジット」という語が出てくるのは1か所だけです。しかも料金を扱う第8条ではなく、宿泊施設のセクションに置かれた第15.2.2条で、「宿泊施設へ直接払い」を選んだ場合の項目として出てきます。文面は「場合によっては、旅行サプライヤーがお客様の決済手段の与信枠を事前に確保し、デポジットを請求したり、予約金額全額の前払いを請求したりすることがあります。」で、金額にも相場にも触れていません。「リゾート料金」という語は規約に出てきませんでした。表示額の扱いも、条文が2つに割れています。第8.2.1条は「本プラットフォームで旅行商品を閲覧する際に、別段の明記がない限り、原則として、表示料金に税金およびサービス料金は含まれていません。」と書いています。ところが直接払いを選ぶと第15.2.1条が上書きし、「第8.2条にかかわらず、表示料金には税金および手数料が含まれる場合と含まれない場合があります。」となり、確認先として予約条件・確認メール・バウチャーの3つが指定されます。つまりサイト側の規約を最後まで読んでも、現地で足される額は出てきません。決まっているのは、金額ではなくどの画面を見に行くかのほうです。予約を確定したら、確認メールとバウチャーを開いて、税とサービス料の行が立っているかを見る。ここまでが規約が用意している範囲になります。
返金可のプランとの差額は、予約サイトの料金表示で比べられます。確定を押す前にご確認ください。
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出典と確認時点
この記事は2026年8月16日時点で、韓国 公正取引委員会の告示「消費者紛争解決基準」(告示2025-14号、2025年12月18日施行)の別表Ⅱ「宿泊業」、および韓国「付加価値税法」第30条(施行日2026年1月2日)、同施行令第61条第4項(施行日2026年2月27日)を取得して整理した一般的な内容です。消費者紛争解決基準は、その第1条が定めるとおり「合意または勧告の基準」であり、それ自体が強制的な料率ではありません。実際の返金額は、宿泊施設や予約サイトの約款が優先します。デポジット(保証金)、駐車料金、朝食の別料金、契約金の割合、各予約サイトの独自規定については、一次資料を確認できていないため本稿では扱っていません。告示および法令は改正されることがあります。予約時点の条件は各予約サイトおよび宿泊施設の案内でご確認ください。
要点の確認
- キャンセルの目安は公正取引委員会の告示「消費者紛争解決基準」。性格は合意または勧告の基準
- 繁忙期は夏7月15日〜8月24日、冬12月20日〜2月20日(約款に定めがない場合)
- 週末は金曜日・土曜日の宿泊、祝日前日の宿泊
- 消費者の事情での前日・当日取消は、繁忙期の週末で総料金の90%控除、繁忙期の平日で80%控除
- 閑散期は当日または不参で、平日20%控除・週末30%控除
- 使用予定時刻まで連絡がない場合は当日取消とみなす
- 気象庁の注意報・警報などで移動できない場合と、虚偽・誇大な広告の場合は契約金を返金
- 付加価値税の税率は10%。サービス料は対価と区分記載され従業員に支払われた場合に供給価額から外れる
泊まる日が繁忙期の週末に当たるかを1回見る。キャンセルの重さは、その1回で分かります。
告示と法令は改正されます。期間や率に変更が確認でき次第、本記事も見直します。
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