韓国のホテルの星は、予約サイトの評価ではなく法令にもとづく等級決定です|区分は5段階、有効期間は3年、申請が義務づけられた業種もあります

予約画面に並ぶ星の数は、そのサイトが自社の目線で付けた印にすぎないのではないか。連休の宿は金額が張るぶん、決済ボタンの前でここが引っかかる方は多いと思います。口コミの点数と星が同じ画面に並んでいれば、どちらも同じ性質の数字に見えます。
ただ、韓国の観光振興法とその施行令・施行規則を実際に開くと、ホテルの星はまったく別の出どころを持っています。法第19条第1項は等級を定める主体を文化体育観光部長官と書き、そのただし書はホテル業の登録をした者のうち大統領令で定める者は、等級決定を申請しなければならないとしています。区分は施行令第22条第2項で5星級・4星級・3星級・2星級および1星級の5つ。そして施行規則第25条の3第2項が、その等級決定の有効期間を、等級決定を受けた日から3年と定めています。
1. 星を決めているのは長官で、実務は委託された法人が担います
まず主体です。法第19条第1項は、文化体育観光部長官が申請を受けて等級を定めることができると書いています。等級は予約プラットフォームが付けるものではなく、行政の側に根拠のある処分として置かれている、という組み立てです。
ただし長官が自分で全国のホテルを回るわけではありません。施行令第66条第1項が、等級決定権を一定の要件を満たす法人に委託すると定めています。要件は三つで、長官の許可を受けて設立された非営利法人または公共機関であること、観光宿泊業の育成とサービス改善などに関する研究・啓蒙活動などを行う法人であること、そして文化体育観光部令で定める基準に合う資格をもつ評価要員を50名以上確保していることです。
評価要員50名以上という条件は、この制度の性格をよく表しています。書面審査だけで済ませる仕組みではない、ということです。実際に委託を受けている法人の名称は長官の告示によるとされており、その告示までは本稿では確認していません。
2. 区分は5段階。1星級から5星級までで、それ以外の呼び方は条文にありません
次に段階です。施行令第22条第2項は、観光宿泊業のうちホテル業の等級を5星級・4星級・3星級・2星級および1星級に区分すると定めています。上から下まで5つで、それ以外の刻みは条文にありません。
ここが予約サイトの表示と食い違いやすい地点です。各社がどう星を付けているかは法令の一次資料には書かれていないため本稿では扱いませんが、条文の側が持っているのは1から5までの整数の区分だけです。
3. 申請が義務なのは6業種。同じ宿泊業でも義務の外にある業種があります
法第19条第1項のただし書は、ホテル業の登録をした者のうち大統領令で定める者は、等級決定を申請しなければならないと書いています。ここを受けたのが施行令第22条第1項で、対象を観光ホテル業、水上観光ホテル業、韓国伝統ホテル業、家族ホテル業、小型ホテル業または医療観光ホテル業の登録をした者と列挙しています。
そして施行令第2条第1項第2号を見ると、ホテル業の種類は観光ホテル業・水上観光ホテル業・韓国伝統ホテル業・家族ホテル業・ホステル業・小型ホテル業・医療観光ホテル業の7種類です。7種類のうち、申請義務の列挙に入っていないのはホステル業だけ、ということになります。
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4. 有効期間は3年。だから「いつ受けた星なのか」で意味が変わります
制度の性格を一番よく決めているのが、有効期間です。法第19条第2項は、等級決定をする場合に有効期間を定めて等級を定めることができるとだけ書き、年数は第6項で文化体育観光部令に委ねています。その部令が施行規則で、第25条の3第2項がホテル業の等級決定の有効期間は、等級決定を受けた日から3年と定めています。
言い換えると、星は永久の称号ではありません。同じ4星級でも、去年評価を受けた宿と期間の終わりに近い宿とでは、評価の時点が最大で3年ずれ得ます。
切れ目についても条文に手当てがあります。同じ第2項のただし書は、第25条第2項による通知の前に有効期間が満了した場合には、新たな等級決定を受ける前までは従前の等級決定が有効とみなすとしています。審査が長引いて期間が切れても、星が一時的に消えるわけではない、という設計です。
さらに第25条の3第3項は、危機警報が警戒以上で発令された日から2年の範囲で、長官が定めて告示する期限まで既存の有効期間を延長できるとしています。法第19条第5項を受けた規定です。
5. 申請の時期も日数で決まっています。満了前150日から90日まで
いつ申請するかも規則が数字で書いています。第25条第1項が四つの区分を挙げています。
第1号は新規登録の場合で、ホテル業の登録をした日から60日。ただし括弧書きで、2024年7月1日から2026年6月30日までの期間中に登録した場合は、登録日から120日という特則が置かれています。第2号は更新にあたるもので、有効期間が満了する場合は、満了前150日から90日までの間に申請しなければなりません。第3号は施設の増改築、またはサービス・運営実態などの変更により等級調整事由が発生した場合で、発生日から60日。第4号は第25条の3第3項で有効期間が延長された場合で、延長された満了日までとなっています。
決定側にも期限があります。第25条第2項は、受託機関が申請を受けた場合、長官が定めて告示する基準により申請日から90日以内に等級を決定して申請人に通知しなければならないと定め、やむを得ない事由がある場合は60日の範囲で延長できるとしています。その告示に書かれた等級決定の細部基準や配点までは、本稿では確認していません。
6. 評価するのは3つの要素。基準に届かなければ保留されます
何を見て星が付くのかも規則に列挙があります。第25条第3項が挙げる評価要素はサービス状態、客室および付帯施設の状態、安全管理などに関する法令の遵守可否の三つで、細部の基準と手続は長官の告示によるとされています。
そして第25条第5項は、評価の結果が等級決定基準に満たない場合、等級決定を保留しなければならないと定め、保留の事実を申請人に通知するとしています。届かなければ星が付かない、という帰結が条文に書かれています。
7. 保留されたあとの道筋も条文にあります。上の等級には戻れません
保留の後の手続は第25条の2です。保留の通知を受けた申請人は、通知を受けた日から60日以内に、同一の等級または低い等級で再申請しなければなりません。同一等級で再申請して再び保留された場合は、通知日から60日以内に、より低い等級で申請するか、保留に対する異議を申請することになります。
異議申請を受けた受託機関は、申請日から90日以内に理由の有無を判断して処理し、やむを得ない事由がある場合は60日の範囲で延長できます。そして第5項が重要です。異議申請を経た者が再び等級決定を申請する場合は、当初申請した等級より低い等級でのみ可能とされています。
上に戻る道が閉じられた一方通行の構造です。宿の側は無理な等級を申請しにくい、と読める部分です。
8. 結果は四半期ごとに公表されます。確認の入口はそこです
最後に、旅行者が実際に使える条文です。法第19条第4項は、長官が等級決定の結果に関する事項を公表することができるとしています。これを受けた施行規則第25条の3第1項は、より強い書き方で、等級決定の結果を四半期ごとに文化体育観光部のインターネットホームページに公表しなければならず、必要な場合はその他の効果的な方法で公表できる、と定めています。
行程に落とすと、やることは一つです。金額の大きい宿を押さえる前に、その星が法令の等級決定にもとづくものなのかを一度だけ疑う。公表は四半期ごとと規則に書かれています。
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出典と確認時点
この記事は2026年8月5日時点で、韓国「観光振興法」(国家法令情報センターのオープンAPIで取得。https://www.law.go.kr/DRF/lawService.do?OC=test&target=law&type=XML&MST=279659 /公布日2025年11月11日・施行日2026年5月12日)、同「施行令」(同API。https://www.law.go.kr/DRF/lawService.do?OC=test&target=law&type=XML&MST=288461 /公布日2026年8月4日・施行日2026年8月4日)および同「施行規則」(同API。https://www.law.go.kr/DRF/lawService.do?OC=test&target=law&type=XML&MST=282125 /公布日2025年12月29日・施行日2025年12月29日)の条文を確認して整理した一般的な内容です。長官の告示が定める等級決定の細部基準、委託を受けた法人の名称、野営場業の等級区分、各予約サイトが星を付ける社内の基準については、本稿では確認していません。法令は改正されることがあります。
旅行中に目にする表示のうち、法令が書かせているものは宿の星だけではありません。韓国の食堂の産地表示は店の親切ではなく法律上の義務という話
要点の確認
- ホテルの等級は観光振興法第19条にもとづくもので、決めるのは文化体育観光部長官。実務は施行令第66条により評価要員を50名以上確保した法人へ委託される
- 区分は施行令第22条第2項で5星級・4星級・3星級・2星級・1星級の5段階
- 申請が義務なのは観光ホテル業・水上観光ホテル業・韓国伝統ホテル業・家族ホテル業・小型ホテル業・医療観光ホテル業の6業種。ホステル業は義務の列挙に入っていない
- 有効期間は施行規則第25条の3第2項で等級決定を受けた日から3年。通知前に満了した場合は従前の等級決定が有効とみなされる
- 申請時期は新規登録から60日(2024年7月1日から2026年6月30日までの登録は120日)、更新は満了前150日から90日まで、等級調整事由の発生からは60日
- 評価要素はサービス状態/客室および付帯施設の状態/安全管理などに関する法令の遵守可否の3つ。基準に満たなければ等級決定は保留
- 異議申請を経て再申請する場合は当初申請した等級より低い等級でのみ可能
- 結果は施行規則第25条の3第1項により四半期ごとに文化体育観光部のホームページで公表される
星を見る前に、その星がどの制度の数字なのかを一度だけ疑う。この一手間だけで、宿選びの判断材料は一段はっきりします。
等級決定の結果は四半期ごとに公表されます。公表の区切りごとに内容を確認し、条文や運用に変更があり次第、本記事の記述を更新します。
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