年金の繰下げは「0.7%×月数」、繰上げは「0.4%×月数」です|65歳時点の年額と受給開始年齢を入れると、増減率と一生続く年額が出る計算ツール

年金の繰上げと繰下げの増減率を計算する
くらしとお金
何歳から受け取るかで、年額は一生この率のままです
くらしとお金ラボ

老齢年金を受け取り始める時期は、60歳から75歳の間で選べます。早く受け取れば年額は減り、遅く受け取れば増えます。この増減は感覚の話ではなく、日本年金機構が公表している1か月あたりの率で決まっています。

そして両ページとも、その率は一生変わらないと書いています。つまり一度決めた率が、受け取り終わるまでの毎年に掛かり続けます。下のツールは、公表されている率をそのまま式にして、65歳時点の年額から受給開始後の年額を出します。

繰上げと繰下げの1か月あたりの率 繰下げは1か月あたり0.7%の増額で最大84%、繰上げは1か月あたり0.4%の減額で最大24%になることを示すカード 日本年金機構が公表している1か月あたりの率 繰下げ = 0.7% × 月数(最大84%) 繰上げ = 0.4% × 月数(最大24%) この率は一生変わりません 出典:日本年金機構「年金の繰上げ受給」「年金の繰下げ受給」(2026年9月1日取得)

1. 繰上げ・繰下げの増減率 計算ツール

年金 繰上げ・繰下げ 増減率 計算ツール
ねんきん定期便の「65歳から受け取る場合」の年額です。加給年金額・振替加算額は含めずに入れてください。
年額を入れて「計算する」を押してください。
使った式と出典
繰上げ:減額率(最大24%)= 0.4% × 繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数(昭和37年4月1日以前生まれは0.5%・最大30%)
繰下げ:増額率(最大84%)= 0.7% × 65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数
出典:日本年金機構「年金の繰上げ受給」https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-01.html
出典:日本年金機構「年金の繰下げ受給」https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-02.html
確認日:2026年9月1日
※ これは概算です。実際の金額は各機関の公式窓口でご確認ください。

2. 入れる年額は「加給年金額を除いた本体」です

このツールで最初に間違えやすいのが年額の欄です。日本年金機構は、繰上げ・繰下げの率を掛ける対象を「老齢基礎年金の額(振替加算額を除く)および老齢厚生年金の額(加給年金額を除く)」と書いています。配偶者やこどもがいて上乗せがある人は、その上乗せを外した金額を入れてください。

繰下げのページには、待っている間の扱いについても「加給年金額や振替加算額は増額の対象になりません。また、繰下げ待機期間(年金を受け取っていない期間)中は、加給年金額や振替加算を受け取ることができません。」と書かれています。率だけを見て決めると、この部分が抜け落ちます。

3. 早見表とツールの出力は一致します

日本年金機構は年齢ごとの率を早見表として出しています。ツールはこの表を再現します。

受給開始年齢ごとの増減率(昭和37年4月2日以降生まれ)
60歳から受け取る
24.0%の減額(年額100万円→76万円)
62歳から受け取る
14.4%の減額(年額100万円→85.6万円)
65歳から受け取る
増減なし(年額100万円)
70歳から受け取る
42.0%の増額(年額100万円→142万円)
75歳から受け取る
84.0%の増額(年額100万円→184万円)

年単位だけでなく月単位でも動きます。63歳6か月から受け取るなら、65歳までの残りは18か月ですから0.4%×18で7.2%の減額です。ツールに63歳と6か月を入れると年額100万円が928,000円と出ます。

4. 生まれた時期で率と上限が変わります

減額率の注記には「昭和37年4月1日以前生まれの方の減額率は、0.5%(最大30%)となります。」とあります。60歳から受け取る場合、0.4%の世代は24.0%の減額ですが、0.5%の世代は30.0%の減額です。

繰下げにも生年の区切りがあります。「昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳(権利が発生してから5年後)までとなりますので、増額率は最大で42%となります。」という注記です。ツールの生年欄はこの2つの区切りをそのまま3区分にしたものです。

なお、受け取り始めたあとも働き続ける人は、年金が止まる基準の側も見ておく場所です。そちらは働きながらの年金、止まる基準は2026年4月から月51万円→65万円になりましたで扱っています。

5. 数字を出す前に確認する3つ

数字を出す前に確認する3つ 1
入れる年額は加給年金額・振替加算額を除いた本体の金額
2
繰上げの請求は、あとから取り消すことができない
3
最終的な年金額を決めるのは日本年金機構と共済組合の側

2番目は率の話より重い条件です。繰上げのページには「老齢年金を繰上げ請求した後は、繰上げ請求を取消しすることはできません。」と書かれています。加えて、繰上げ請求をすると国民年金の任意加入や保険料の追納ができなくなるとも書かれています。追納で年額を増やす道を考えている人は、その順番のほうを先に決めることになります。年額そのものを増やす手としては、国民年金に月400円足すと、受け取りは「200円×納めた月数」が一生上乗せされますのような制度も並びます。

出典と確認時点
この記事の計算ツールは、2026年9月1日に取得した日本年金機構「年金の繰上げ受給」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-01.html)および「年金の繰下げ受給」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-02.html)に記載された増減率の式を、そのまま計算式にしたものです。出てくる数字は概算であり、実際の年金額を決めるのは日本年金機構および加入していた共済組合です。特別支給の老齢厚生年金に該当する場合の月数の数え方、老齢基礎年金の一部繰上げ、在職老齢年金による支給停止、65歳以後の加入期間の反映などによって結果は変わります。加給年金額・振替加算額は増減率の対象外です。受給開始時期の選択は取り消せない手続きを含むため、金額の確定と手続きの可否は必ず年金事務所または「ねんきんダイヤル」でご確認ください。この記事は個別の判断を代行するものではありません。

要点の確認

  • 繰下げの増額率は0.7%×月数で、最大84%
  • 繰上げの減額率は0.4%×月数で、最大24%
  • 昭和37年4月1日以前生まれの減額率は0.5%・最大30%
  • 昭和27年4月1日以前生まれは繰下げの上限が70歳・最大42%
  • 決まった率は一生変わらない
  • 率が掛かるのは加給年金額・振替加算額を除いた本体
  • ツールの出力は日本年金機構の早見表(60歳24.0%/70歳42.0%/75歳84.0%)と一致する
  • 繰上げ請求はあとから取り消せない

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