失業手当の日額は、6か月の給与総額と年齢の2つだけで出ます|厚生労働省の式に当てはめて基本手当日額を出す計算ツール(令和8年8月1日〜)

会社を辞めたあと、失業手当が1日あたりいくら出るのかは、退職を決める前にいちばん知りたい数字です。ところが検索して出てくるのは上限額の一覧が多く、上限に届かない人にとっては自分の額が分かりません。
厚生労働省は、この金額の出し方を計算式そのものの形で公表しています。令和8年8月1日からの「基本手当日額の計算式及び金額」という表で、必要なのは離職前6か月の賃金総額と離職日時点の年齢の2つだけです。年齢で4つの区分に分かれ、それぞれの区分がさらに4段階の式に分かれています。
1. 基本手当日額の計算ツール
賃金日額 w = 離職前6か月の賃金総額 ÷ 180
30歳未満/30歳以上45歳未満/45歳以上60歳未満:w が5,480円以上13,490円以下のとき y=0.8w-0.3{(w-5480)/(13490-5480)}w
60歳以上65歳未満:w が5,480円以上12,120円以下のとき y=0.8w-0.35{(w-5480)/(12120-5480)}w と y=0.05w+(12120×0.4) のいずれか低い方
上限額:30歳未満7,450円/30歳以上45歳未満8,270円/45歳以上60歳未満9,110円/60歳以上65歳未満7,830円
端数処理:1円未満を切り捨て
出典:厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日〜)」https://www.mhlw.go.jp/content/001726936.pdf
確認日:2026年9月1日
2. まず賃金日額を出します
厚生労働省の表は、賃金日額(表の記号では w)を入り口にしています。離職前6か月の賃金総額を180で割った額です。6か月はおおむね180日なので、1日あたりの賃金に直しているだけです。
ここに入れるのは、毎月の給与として支払われたものです。残業代や通勤手当は入りますが、賞与は入りません。手取りではなく、社会保険料や税を引く前の額で計算します。
そして表の注記には、「基準日とは、受給資格に係る離職の日をいう。」と書かれています。年齢は今の年齢ではなく、辞めた日の年齢です。誕生日をまたぐ時期に辞める場合、区分がひとつ動くことがあります。
3. 賃金が高いほど、率は下がっていきます
表を読むと、賃金日額が低い人ほど手厚くなる作りになっています。5,480円未満なら0.8w、つまり賃金の8割です。ところが5,480円を超えると、その先は0.8w-0.3{(w-5480)/(13490-5480)}wという式に変わります。かっこの中は0から1まで動く割合で、賃金が高くなるほど1に近づきます。結果として、8割から5割へなだらかに落ちていきます。
13,490円を超えると、式は0.5wのちょうど5割になります。そして年齢区分ごとの線を越えたところで、日額そのものが固定されます。この構造があるので、賃金日額13,490円のときの式は5割の式とぴったりつながります。ツールで13,490円と13,491円を入れると、どちらも6,745円になります。段差がないのはそのためです。
60歳以上65歳未満だけは作りが違います。0.3ではなく0.35で落ち、上限側の率も0.5ではなく0.45です。さらに0.05w+(12120×0.4)という別の式が並び、注記は「いずれか低い方の額」と指定しています。ツールは2つの式を両方計算して低いほうを採っています。
4. 出た数字は「1日あたり」です
ツールが返すのは1日あたりの金額です。実際に振り込まれる総額は、これに所定給付日数を掛けたものになります。日数のほうは賃金ではなく、雇用保険の被保険者であった期間と、辞めた理由(自己都合か会社都合か)で決まります。
年齢の区分は日額だけでなく、受け取れる制度そのものにも効いてきます。65歳を過ぎてから辞めた場合は基本手当ではなく一時金の扱いになり、支給の考え方が変わります。そちらは65歳以上で辞めると、失業手当ではなく一時金ですで扱っています。
5. 辞める前に出しておく意味
この数字は、退職を決める前に出しておくと使い道があります。日額に30を掛けた額が、当面の月あたりの入りになるからです。家賃と固定費を並べて、足りるかどうかを先に見ておけば、次を決める時間をどれだけ取れるかが見えます。
もうひとつ、辞めたあとに使える給付は失業手当だけではありません。資格の講座を受けたときに受講料の一部が戻る制度も雇用保険から出ています。区分によって戻る割合が大きく変わるので、資格講座の受講料、雇用保険から戻るのは20%か、最大80%ですと合わせて見ておくと、辞めたあとの計画が組みやすくなります。
出典と確認時点
この記事の計算ツールは、2026年9月1日に取得した厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和8年8月1日~)」(厚生労働省)に記載された年齢4区分の計算式と上限額にもとづく概算です。出てくる数字は目安であり、受給できるかどうか、いくら支給されるか、何日分支給されるかを決めるのはハローワーク(公共職業安定所)です。賃金日額の算定は離職票に記載された賃金額をもとに行われ、この記事の入力値とは範囲が異なることがあります。所定給付日数は被保険者であった期間と離職理由で決まり、この記事では扱っていません。また、賃金日額が3,203円を下回る場合の式は出典の表に記載がないため、ツールは金額を出しません。この記事は個別の受給判断を代行するものではありません。
要点の確認
- 入り口は賃金日額=離職前6か月の賃金総額÷180(賞与は含めない)
- 年齢は今ではなく離職日時点(表の言う「基準日」)
- 5,480円未満は0.8w、5,480〜13,490円は0.8w-0.3{(w-5480)/(13490-5480)}w
- 13,490円を超えると0.5w、60歳以上65歳未満だけ0.45w
- 60歳以上65歳未満は0.05w+(12120×0.4)とのいずれか低い方
- 上限額は30歳未満7,450円/30歳以上45歳未満8,270円/45歳以上60歳未満9,110円/60歳以上65歳未満7,830円
- 端数は1円未満を切り捨て
- 出るのは1日あたりの額で、総額は所定給付日数を掛けたもの
あわせて読みたい
・65歳以上で辞めると、失業手当ではなく一時金です
・資格講座の受講料、雇用保険から戻るのは20%か、最大80%です
コメント
コメントを投稿