資格講座の受講料、雇用保険から戻るのは20%か、最大80%です|差は「講座の指定区分」で決まります

スクールの案内に「教育訓練給付制度 対象講座」と書いてあっても、何割戻るのかは書いていないことが多いと思います。40万円の講座で8万円戻るのか、32万円戻るのかでは、申し込むかどうかの判断がまるごと変わります。
この差は、自分の状況ではなくその講座が厚生労働大臣からどの区分の指定を受けているかで決まります。一般教育訓練なら経費の20%(上限10万円)、専門実践教育訓練なら段階を踏んで最大80%(年間上限64万円)。同じ40万円の講座でも、区分が違えば戻る額は8万円と32万円に分かれます。
この記事の要点
・区分は3つ。専門実践(最大80%)/特定一般(最大50%)/一般(20%)
・専門実践は50%→70%→80%と段階的。年間上限は40万円→56万円→64万円、最大3年で192万円
・専門実践と特定一般は、受講開始日の2週間前までにキャリアコンサルティングと受給資格確認が必要
・支給額が4千円を超えない場合は支給されません
・受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けていると支給されません
・訓練中の生活費を補う教育訓練支援給付金は、2025年4月1日以後の受講開始なら基本手当の日額の60%(それ以前は80%)
1. 区分によって、戻る額はここまで違います
まず自分が申し込もうとしている講座がどの区分かを確認してください。同じ受講料でも戻る額が変わります。
対象講座かどうかは、厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システムで調べられます。パンフレットの「給付制度対象」という表記だけでは区分まで分からないので、講座名で検索して区分を確かめる手順になります。
2. 専門実践は「50%→70%→80%」の3段階です
最大80%という数字は、最初から80%が振り込まれるという意味ではありません。段階を踏みます。
- 受講中・修了時:教育訓練経費の50%(年間上限40万円)。受講開始日から6か月ごとの期間の末日から1か月以内に、年2回申請します
- 資格取得などをして就職:修了日の翌日から1年以内に一般被保険者等として雇用された場合、または雇用されたまま資格取得などをした場合は70%(年間上限56万円)。すでに受けた50%分との差額が支給されます。申請は資格取得または就職のいずれか遅い日から1か月以内
- 賃金が5%以上上がった:さらに訓練修了後の賃金が受講開始前と比べて5%以上上昇した場合は80%(年間上限64万円)。申請は資格取得または就職のいずれか遅い日から1年以内
給付は最大3年間受けられ、その場合の上限は192万円です。なお、賃金上昇に対する追加支給は2024年10月1日以降に受講を開始した場合に限られます。それより前に始めた方には、この3段目はありません。
3段目の申請期限が1年以内と長いのは、賃金の上昇を確認するのに時間がかかるためです。逆に2段目は1か月以内と短く、就職した直後の慌ただしい時期に重なります。ここを逃すと、70%との差額は戻りません。
3. 特定一般と一般——申請の窓は修了日の翌日から1か月です
特定一般教育訓練は、経費の40%(上限20万円)。修了後に資格取得などをして就職した場合などは50%(上限25万円)になります。この追加支給も2024年10月1日以降の受講開始が条件です。
一般教育訓練は、経費の20%(上限10万円)です。追加の段階はありません。
どちらも支給申請は訓練修了日の翌日から起算して1か月以内。特定一般で50%の適用を受ける場合は、資格取得または就職のいずれか遅い日から1か月以内に別途申請します。修了して気が抜けた頃に期限が来る設計なので、修了日をカレンダーに入れる段階で申請日も入れておく部分です。
4. 加入期間の条件と、「3年以内は受けられない」ルール
受給できるのは、雇用保険の被保険者または被保険者であった方です。必要な加入期間は区分と受給歴で変わります。
- 専門実践:受講開始日に加入期間3年以上。ただし過去に教育訓練給付金を受けたことがなく初めて受給する方は2年以上
- 特定一般・一般:加入期間3年以上。初めて受給する方は1年以上
- 離職者:雇用保険の資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であること
そして共通の制限があります。受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合は支給されません。資格を続けて取ろうと考えている方は、2つ目の講座の受講開始日を、1つ目の受給日から3年空ける必要があります。また、計算した支給額が4千円を超えない場合も支給されません。
自分が要件を満たすかは、受講前に支給要件照会で確認できます。「教育訓練給付金支給要件照会票」に運転免許証や住民票の写しなどの本人確認書類を添えて、ハローワークに提出します。本人来所のほか、代理人・郵送・電子申請でも行えます。
5. 一番の落とし穴——「受講開始日の2週間前まで」
専門実践教育訓練と特定一般教育訓練は、受講を始める前に済ませておかなければならない手続きがあります。
- ハローワークの訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受ける
- 就業の目標や職業能力の開発・向上に関する事項を記載したジョブ・カードの交付を受ける
- 受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認の手続きを行う
講座に申し込んで受講が始まってから制度を調べ始めると、この2週間前という期限がすでに過ぎています。ここを過ぎた講座は、要件を満たしていても対象外になります。先に講座を決めてから制度を調べる、という順番が損失の生まれる場所です。
6. 訓練中の生活費——支援給付金は60%になりました
専門実践教育訓練を昼間通学で受ける方が失業状態にある場合、訓練期間中の生活費を補う教育訓練支援給付金があります。ここは率が変わった項目です。
- 支給額は雇用保険の基本手当の日額の60%に相当する額です
- 2025年4月1日より前に受講を開始している場合は80%です。「80%」と書いてある解説は、この時期の受講開始を前提にしています
- 対象は、専門実践教育訓練(通信制・夜間制を除く)を受講する方で、受講開始時に45歳未満など一定の要件を満たす方が訓練期間中に失業状態にある場合
- 2026年度末までの暫定措置です
- 受け取るには、2か月に1回のハローワークが指定する認定日に失業の認定を受ける必要があります
離職して学び直す計画を、80%を前提に組んでいる方は、いま計算し直しておくところです。訓練期間が1年を超えるなら、差は生活費全体に効いてきます。
出典と確認時点
この記事は2026年8月4日時点で、ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」の公表内容を確認して整理した一般的な内容です。法令上最短4年の専門実践教育訓練の4年目受講相当分の追加支給については、出典が個別相談としているため金額を記載していません。対象講座の指定状況、ご自身の受給資格および支給額の判定は、ハローワークにご確認ください。
要点の確認
- 戻る額を決めるのは講座の指定区分。一般20%(上限10万円)/特定一般最大50%(上限25万円)/専門実践最大80%(年間上限64万円)
- 専門実践は50%→70%→80%の3段階。2段目の申請期限は1か月以内と短いです
- 専門実践・特定一般は受講開始日の2週間前までにキャリアコンサルティングと受給資格確認が必要
- 受講開始日の前日から3年以内に受給していると支給されません。支給額4千円以下も支給されません
- 教育訓練支援給付金は2025年4月1日以後の受講開始で60%(それ以前は80%)。2026年度末までの暫定措置です
講座の申し込みボタンを押す前に、講座名で指定区分を検索してください。区分が分かれば、戻る額はその場で計算できます。
教育訓練支援給付金は2026年度末までの暫定措置です。延長や見直しが公表され次第、本記事に追記します。
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