年金の基礎知識|国民年金と厚生年金の違い、いつから・いくらもらえる?【2026年】

社会保険・年金ガイド|くらしとお金の手帖

日本の公的年金は「2階建て」の構造になっていて、1階部分の「国民年金(基礎年金)」は日本国内に住む20歳以上60歳未満の人なら原則として全員が加入し、2階部分の「厚生年金」は会社員や公務員など、勤め先を通じて加入する仕組みです。「自分は将来いくらもらえるのか」「今の保険料の払い方で合っているのか」という疑問は、この2階建ての構造と、自分がどの被保険者区分に当たるかを押さえるとかなり整理できます。この記事では、国民年金と厚生年金の違い、年金の種類、受給開始年齢の考え方、そして自分の見込み額を確認する方法や、保険料を納められないときの制度まで、2026年7月時点でのおおまかな全体像を整理します。なお制度の詳細や金額・年齢の基準は法改正や個人の加入状況によって変わるため、本記事では断定を避け、日本年金機構など公式情報への確認を随所でご案内します。

公的年金は「2階建て」構造|国民年金と厚生年金の関係

日本の公的年金制度は、しばしば「2階建て」にたとえられます。日本年金機構の公式案内でも、公的年金は「20歳以上60歳未満のすべての方が加入する国民年金(基礎年金)と、会社員・公務員の方が加入する厚生年金保険の2階建て構造」と説明されています。まずはこの全体像をつかんでおくと、以降の話が理解しやすくなります。

階層制度名加入する人
1階部分国民年金(基礎年金)日本国内に住む20歳以上60歳未満の人(原則として全員)
2階部分厚生年金会社員・公務員など、勤務先を通じて加入する人

つまり、自営業の方やフリーランスの方は1階部分の国民年金のみに加入するのに対し、会社員や公務員の方は1階の国民年金に加えて2階の厚生年金にも加入している、という関係になります。将来受け取る年金も、この加入状況に応じて「基礎年金のみ」か「基礎年金+厚生年金」かが変わってくる、という理解がまず出発点になります。さらに企業によっては、この上に企業年金など「3階部分」を用意している場合もありますが、これは公的年金とは別の制度になるため、今回は公的年金の2階建て部分を中心に整理します。制度全体の考え方は日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」でご確認ください。

国民年金の加入者区分|第1号・第2号・第3号被保険者とは

国民年金は「全員共通」としながらも、働き方や家族の状況によって加入の仕方が3つの区分に分かれています。ねんきん定期便などの書類にもこの区分が出てくるので、まず自分がどれに当たるかを確認しておくと理解が進みます。日本年金機構の公式案内では、それぞれ次のように整理されています。

  • 第1号被保険者:日本国内に住む20歳以上60歳未満の自営業者、農業者、学生、無職の方など(厚生年金保険などに加入しておらず、第3号被保険者でない方)。国民年金の保険料を自分で納付する必要があります。
  • 第2号被保険者:厚生年金保険や共済組合等に加入している会社員・公務員の方。国民年金分の保険料は厚生年金の仕組みの中に含まれる形で扱われ、給与から天引きされます。
  • 第3号被保険者:厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(専業主婦・主夫など)。一定の要件のもと、本人が個別に国民年金保険料を納める必要がない扱いになります。扶養の判定には収入の基準が設けられていますが、具体的な金額基準や手続きの詳細は改定されることもあるため、最新の要件は日本年金機構の公式案内でご確認ください。

この区分は固定ではなく、就職・退職・結婚・扶養から外れるといったライフイベントで変わることがあり、その都度、届出が必要になる場合があります。「会社を辞めたら年金の手続きは自動でやってもらえる」と思い込んでいると手続き漏れにつながることがあるため、区分が変わりそうなタイミングでは早めに市区町村役場や年金事務所に確認することをおすすめします。

国民年金と厚生年金の違い|保険料の決まり方と納め方

「同じ年金なのに何が違うのか」がわかりにくいポイントとして、保険料の決まり方と納め方の違いがあります。

国民年金厚生年金
保険料の決まり方所得にかかわらず原則定額(月額は年度ごとに改定。最新額は公式で要確認)給与・賞与の額に応じて決まる(報酬比例)
納め方自分で納付書・口座振替などにより納付(第1号被保険者の場合)給与から天引き(労使折半で会社と本人が分担)
将来の受給額への反映納付済み期間に応じた基礎年金納めた保険料(報酬水準・加入期間)に応じて上乗せされる年金

ざっくり言うと、国民年金は「定額・自分で納める」、厚生年金は「給料に応じた金額・給与天引きで会社と折半」というイメージです。会社員の方が「年金保険料を自分で振り込んだ記憶がない」と感じるのは、この天引きの仕組みによるものです。また、厚生年金は保険料が給与水準に応じて変わる分、将来受け取る年金額にも納付実績が反映される仕組みになっているため、加入期間や報酬水準によって人ごとに将来の受給見込み額が異なります。国民年金保険料の月額や厚生年金の保険料率・上限下限の金額は年度ごとに改定されることがあるため、最新の基準は日本年金機構「国民年金保険料」のページなど公式サイトで確認するようにしましょう。

年金は「老後」のためだけではない|老齢・障害・遺族の3つの保障

「年金」と聞くと老後にもらうものという印象が強いですが、公的年金には老後の生活を支える役割だけでなく、万が一のときの保障機能も組み込まれています。主に次の3種類があります。

  • 老齢年金:一定の年齢に達したときに受け取る、いわゆる「老後の年金」です。国民年金からは老齢基礎年金、厚生年金加入者にはこれに加えて老齢厚生年金が支給される仕組みです。
  • 障害年金:病気やけがによって一定の障害の状態になったときに受け取れる年金です。障害基礎年金は障害等級表の1級・2級に該当する状態が対象とされ、現役世代であっても、初診日要件・保険料納付要件などを満たせば受給の対象になり得ます。等級や認定基準の詳細は日本年金機構「障害基礎年金の受給要件」でご確認ください。
  • 遺族年金:年金の被保険者本人などが亡くなったときに、一定の要件を満たす遺族が受け取れる年金です。遺族基礎年金では「子のある配偶者」または「子」が受給対象とされています(子には年齢などの要件があります)。遺族の範囲・要件の詳細は日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」でご確認ください。

つまり公的年金は、老後の生活費だけでなく、現役世代が思わぬ形で働けなくなったときや、家計を支える人を亡くしたときのセーフティネットとしての側面も持っています。それぞれの年金でもらえる金額や条件は、加入期間や家族構成、障害の程度などによって大きく異なるため、本記事では具体的な金額には触れません。詳細な要件は日本年金機構の公式サイトでご確認ください。

受給開始年齢の原則|65歳が基本、繰上げ・繰下げの仕組みもある

老齢年金の受給開始年齢は、原則65歳とされています。日本年金機構の公式案内でも、老齢基礎年金は原則として65歳から受給でき、60歳から65歳までの間に繰り上げて減額された年金を受け取る「繰上げ受給」や、66歳から75歳までの間に繰り下げて増額された年金を受け取る「繰下げ受給」を選べる、とされています。なお、老齢基礎年金を受け取るには、保険料の納付済期間と免除期間などを合わせた受給資格期間が10年以上あることが必要です。

  • 繰上げ受給:65歳より早く受け取りを開始できる一方、早める月数に応じて年金額が減額される仕組みになっています。
  • 繰下げ受給:65歳より遅く受け取りを開始すると、遅らせた月数に応じて年金額が増額される仕組みになっています。

「1ヶ月あたり何パーセント増減するのか」という具体的な率や、繰上げ・繰下げが可能な年齢の範囲、対象となる生年月日の区分は、生まれた年によって扱いが異なり制度改正の対象にもなり得る部分のため、本記事では細かな数値を断定しません。最新の増減率・年齢範囲は日本年金機構「年金の繰上げ受給」「年金の繰下げ受給」でご確認ください。繰上げ・繰下げは一度選択すると原則として取り消せない仕組みとされているため、実行する前には必ず公式情報や年金事務所での説明を確認し、自分の状況に合っているかを慎重に検討することをおすすめします。

自分の年金、いくらもらえる?「ねんきん定期便」と「ねんきんネット」

ここまで制度の仕組みを見てきましたが、多くの方が知りたいのは「結局、自分は将来いくらもらえるのか」という点だと思います。これを確認できる仕組みが用意されています。

  • ねんきん定期便:誕生月に日本年金機構から送付されるお知らせで、これまでの加入記録や保険料の納付状況、年金額の見込みなどが記載されています。
  • ねんきんネット:日本年金機構が提供するオンラインサービスで、パソコンやスマートフォンからいつでも自分の年金記録を確認したり、将来の年金見込み額を試算したりできる仕組みです。

「見込み額」はあくまで現時点までの加入実績や条件をもとにした試算であり、その後の加入状況や制度改正によって変わり得るものです。定期的にねんきん定期便やねんきんネットを確認する習慣をつけておくと、将来設計のイメージがつかみやすくなります。利用登録の方法や表示される内容の詳細は、日本年金機構「ねんきんネット」のページでご確認ください。

保険料が払えないときは|免除・猶予制度を知っておく

特に第1号被保険者(自営業・学生・無職など)の方は、収入の状況によって国民年金保険料の納付が難しい時期もあるかもしれません。そうした場合に備えて、保険料の免除・猶予制度が用意されています。日本年金機構の公式案内をもとに整理すると、次のような仕組みです。

  • 保険料免除制度:本人・世帯の所得が一定基準以下であるなど、要件を満たす場合に保険料が免除される仕組みで、免除される額には全額・4分の3・半額・4分の1の区分があります。
  • 納付猶予制度:20歳以上50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合に、保険料の納付を将来に猶予する仕組みです。
  • 学生納付特例制度:学生を対象に、在学中の保険料納付を猶予する仕組みです。

これらの制度は「未納のまま放置する」のと違い、所定の手続きを行った期間は、老齢基礎年金の受給資格期間(原則10年以上)に算入されるとされています。ただし、納付猶予・学生納付特例の期間は、あとから追納しない限り年金そのものには反映されないなど、制度によって年金額への反映のされ方が異なります。また、対象となる所得基準・年齢要件・申請手続きの詳細は制度ごとに異なり、内容が変わることもあるため、本記事では所得基準などの具体的な数値は断定しません。「保険料が払えないから」といって何もせず放置するのではなく、まずは市区町村役場や年金事務所、日本年金機構「国民年金保険料の免除・猶予・追納」のページで、自分が使える制度がないかを確認することが大切です。

未納のリスク|「あとで払えばいい」では済まないことも

国民年金保険料の未納には、見えにくいリスクがあります。免除・猶予の手続きをせずにただ未納のままにしてしまうと、次のような影響が生じ得ます。

  • 将来の老齢年金額が少なくなる:保険料を納付した期間の長さや実績が年金額に反映される仕組みのため、未納期間が長いほど将来の受給額に影響し得ます。
  • 障害年金・遺族年金を受け取れない可能性がある:これらの年金には、一定期間の保険料納付要件(例:初診日や死亡日の前々月までの加入期間の3分の2以上が納付・免除済みであること、または直近1年間に未納がないこと、といった要件)が設けられています。そのため、未納期間の状況によっては、本来受け取れるはずだった保障を受けられなくなる可能性があります。要件の詳細は障害基礎年金遺族基礎年金の各公式ページでご確認ください。

老齢年金は「まだ先の話」と感じやすい一方、障害年金や遺族年金は、若い世代であっても不慮の事故や病気によって関わってくる可能性がある保障です。「収入が少ないから」「手続きが面倒だから」という理由で未納のまま放置するのではなく、免除・猶予制度の利用を検討したり、早めに年金事務所へ相談したりすることが、将来の自分や家族を守ることにつながります。

まとめ:要点3行

  • 公的年金は「2階建て」。1階が全員共通の国民年金、2階が会社員・公務員などの厚生年金で、保険料の決まり方・納め方が異なります。
  • 年金には老後の老齢年金だけでなく、障害年金・遺族年金という保障もあり、受給開始年齢は65歳が原則ですが繰上げ・繰下げの仕組みもあります。
  • 自分の見込み額はねんきん定期便・ねんきんネットで確認でき、保険料が払えないときは免除・猶予制度がある一方、未納の放置は将来の受給に影響し得るため早めの相談が大切です。

公式サイトで最新情報を確認

本記事で扱った保険料の金額・受給開始年齢・繰上げ/繰下げの増減率・免除猶予の要件などは、法改正や個人の加入状況によって変わり得る内容です。正確な情報は必ず次の公式情報でご確認ください。

保険料や税金の負担を考えるうえでは、住民税やふるさと納税の仕組みとあわせて家計全体を見渡すことも大切です。関連して、当ブログの住民税やふるさと納税に関する記事もあわせてご覧いただくと、公的な負担・控除の全体像がつかみやすくなります。

※本記事は2026年7月時点で一般に案内されている公的年金制度の概要を、当ブログが公開情報をもとに整理したものです。保険料額・受給開始年齢・繰上げ/繰下げの増減率・免除猶予の要件・障害年金や遺族年金の支給要件などは法改正や個人の状況によって異なり、変更されることもあります。実際の手続きや金額については、必ず日本年金機構・厚生労働省など公式情報でご確認いただくか、年金事務所・市区町村窓口にご相談ください。

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