失業保険(雇用保険の基本手当)とは?もらえる条件・手続きの流れをやさしく解説【2026年】

いわゆる「失業保険」は雇用保険の「基本手当」という給付のことで、離職して働く意思と能力があるのに就職できない状態にある方が、一定の条件を満たした場合に受け取れる仕組みです。もらえる条件や手続きの大まかな流れは全国共通ですが、給付日数や給付制限の期間、支給額の上限・下限額などは年度や個人の状況によって変わるため、本記事で紹介する数値やルールは必ずハローワークの公式情報でご確認ください。
失業保険(基本手当)とは何か
「失業保険」は通称で、正式には雇用保険制度の「基本手当」と呼ばれる給付です。雇用保険の被保険者であった方が離職し、「働く意思と能力があるにもかかわらず、就職できない状態(失業の状態)」にある場合に支給されるとされています。ハローワークの案内では、単に「仕事をしていない」だけでは対象にならず、しばらく休養したい、家事に専念したい、進学準備中であるなど、積極的に働く意思がない場合は失業の状態とは認められないとされています。まずは自分の状況が「求職活動を行う意思がある失業状態」に当てはまるかを確認することが出発点になります。
受給するための要件
基本手当を受け取るには、原則として離職の日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あることが必要とされています。ただし、倒産や解雇など会社都合による離職者(特定受給資格者)や、期間の定めのある労働契約が更新されなかった場合など(特定理由離職者)に該当するときは、離職の日以前1年間に通算6か月以上の被保険者期間があれば受給できる場合があるとされています。自分がどちらの区分に当てはまるかによって必要な期間が変わるため、詳しくはハローワークインターネットサービスの案内で確認することをおすすめします。
参考: ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
手続きの流れ(離職票の受け取りから受給まで)
基本手当を受け取るまでの一般的な流れは、次のようになるとされています。
- ① 会社から「離職票」を受け取る
- ② 住所地を管轄するハローワークで求職の申込みを行い、離職票を提出する
- ③ 受給資格があるかどうかの決定を受ける
- ④ 待期期間(7日間)を経過する
- ⑤ 雇用保険受給者初回説明会に出席する
- ⑥ 原則4週間に1度、失業の認定を受ける
- ⑦ 失業の認定を受けた日数分の基本手当が支給される
このうち、求職の申込み後、失業の状態にある7日間は「待期」として、どのような離職理由であっても基本手当は支給されないとされています。この待期の仕組みについても、最新の内容はハローワークの公式案内でご確認ください。
参考: ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
自己都合退職の場合の給付制限
自己都合など、本人の意思による退職の場合は、待期期間(7日間)が満了したあとに、さらに一定期間の「給付制限」が設けられ、その間は基本手当が支給されないとされています。この給付制限の期間は法改正によって見直しが行われており、公式の案内によれば、正当な理由がない自己都合退職の場合、令和7年(2025年)4月1日以降に離職した方は原則1か月とされています(それ以前に離職した方は原則2か月とされていました)。ただし、5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合退職している場合や、自己の責めに帰すべき重大な理由で解雇された場合などは期間が異なるとされており、今後の制度改正によっても変わりうるため、ご自身に適用される給付制限の期間は必ずハローワークインターネットサービスまたは管轄のハローワークで最新の内容をご確認ください。
支給額のイメージ(基本手当日額)
基本手当の1日あたりの支給額(基本手当日額)は、離職前6か月間に毎月きまって支払われた賃金(賞与等は除く)の合計を180で割って算出した「賃金日額」に、賃金水準に応じた一定の率をかけて計算されるとされています。おおよその目安として、賃金日額のおよそ50〜80%(60歳〜64歳の方はおよそ45〜80%)とされており、賃金が低いほど率が高くなる仕組みです。また、基本手当日額には年齢区分ごとに上限額が設定されており、これらは毎年8月に改定されるとされています。具体的な上限額・下限額は年度によって変わるため、本記事では金額を明記せず、必ず公式ページでその年度の最新額をご確認ください。
参考: ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
所定給付日数について
基本手当を受け取れる日数(所定給付日数)は、離職理由(会社都合か自己都合か)、年齢、雇用保険の被保険者であった期間によって幅があり、目安としておよそ90日から330日程度の範囲で定められているとされています。同じ会社都合退職であっても年齢や勤続年数によって日数が変わり、自己都合退職の場合はさらに異なる基準が適用されるとされています。ご自身の日数がどの区分に当てはまるかは、ハローワークインターネットサービスに掲載されている所定給付日数の表で確認することをおすすめします。
参考: ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
受給中に注意したいこと
失業の認定を受けるには、ハローワークが定める基準を満たす「求職活動実績」が必要とされています。求人への応募やハローワークでの職業相談、各種セミナーへの参加など、一定回数以上の求職活動を行ったことを認定日に申告する必要があるとされています。また、受給期間中にアルバイトなどで収入を得た場合は、その内容をハローワークに正しく申告する必要があります。申告をせずに収入を得ると不正受給とみなされる可能性があるため、収入があった場合は必ず正直に申告することが大切です。
体調不良などで働けない場合はどうなるか
病気やケガのため、すぐには働ける状態にない場合は、「働く能力がある」という要件を満たさず、基本手当の対象外となる場合があるとされています。このようなケースでは、一定の条件のもとで受給期間を延長できる制度が用意されているとされていますが、個別の状況によって対応が異なるため、該当する可能性がある方は管轄のハローワークに相談することをおすすめします。なお、在職中や退職直後に病気やケガで働けない場合は、失業保険とは別に健康保険の傷病手当金という制度が関係することもあるため、あわせて確認しておくとよいでしょう。
退職後にあわせて確認したい関連手続き
退職すると、雇用保険の手続き以外にもいくつかの手続きが必要になります。健康保険については、これまでの社会保険を任意継続するか、国民健康保険と社会保険の違いを確認したうえで切り替え先を検討する必要があります。年金についても、会社員時代の厚生年金から国民年金への切り替えなどが必要になる場合があるため、年金の基礎知識もあわせて確認しておくと安心です。また、引っ越しを伴う退職の場合は、ハローワークの管轄も変わるため、引っ越しの役所手続きチェックリストを参考に、住所変更の手続き漏れがないようにしましょう。
まとめ:要点3行
- 基本手当は「働く意思と能力があるのに就職できない失業の状態」の方が対象で、原則2年間で通算12か月以上の被保険者期間が必要(会社都合等は緩和あり)
- 離職票の提出から受給までは、求職の申込み→受給資格決定→待期7日間→説明会→失業認定(原則4週に1度)→支給という流れで進む
- 給付制限の期間・支給額の上限下限・所定給付日数はいずれも年度や離職理由で変わるため、必ず公式サイトで最新情報を確認する
公式サイトで最新情報を確認
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」(受給要件・給付率・支給額の最新情報)
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(離職票の提出や手続きの流れ)
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」(所定給付日数の詳細な表)
- 厚生労働省(雇用保険制度全体の解説・法改正情報)
※本記事は2026年7月時点の一般的な制度・情報の整理であり、給付制限の期間、支給額の上限・下限額、所定給付日数などの具体的な数値は年度や制度改正、個人の離職理由によって異なります。個別の受給可否や金額の判断は、必ず最寄りのハローワークまたは公式サイトでご確認ください。あわせて、退職後の健康保険の切り替えや傷病手当金、年金の基礎知識もあわせてご確認いただくと、退職前後の手続き全体をスムーズに進めやすくなります。
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