年末調整、2026年分の控除額は2025年分と同じです|上乗せが縮むのは2027年分から

年末調整、2026年分の控除額は2025年分と同じ
制度の基本
年末調整、2026年分の控除額は2025年分と同じです
くらしとお金ラボ

「今年もまた控除額が変わったのでは」——毎年11月に書類を渡されるたび、そこが一番気になるところだと思います。

国税庁のタックスアンサーNo.1199(基礎控除)の表を見ると、基礎控除の額は令和7年分(2025年分)と令和8年分(2026年分)が同じ列に並んでいます。つまり2026年分の年末調整は、金額の面では前年と同じ枠組みで進みます。変わるのは令和9年分(2027年分)からです。この記事では、その中身を国税庁の公表内容にそって整理します。

数字インパクトカード 基礎控除の上乗せが縮小するのは2027年分からであることを示すカード
基礎控除の上乗せが縮むのは
2027
年分
2026年分(令和8年分)の基礎控除は2025年分と同額(国税庁No.1199)

💡 この記事の要点
・年末調整は、毎月の源泉徴収額と実際の年税額の差を精算する手続きです
2026年分の基礎控除は2025年分と同額。上乗せが縮むのは2027年分から
・扶養親族の所得要件は合計所得58万円以下(給与のみなら収入123万円以下)
医療費控除・寄附金控除は年末調整では処理できません——確定申告が必要です

1. 年末調整とは何をしている手続きか

会社は毎月の給与から所得税を概算で天引きしています。この合計額と、1年間の所得が確定してから計算した本来の税額には差が出ます。その差額を年末に精算するのが年末調整です(国税庁No.2665)。

対象になるのは、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していて、年間を通じて勤務している方や、年の途中で就職して年末まで勤務している方です。

一方、次の方は12月の年末調整の対象から除かれます。

  • 1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える
  • 災害減免法により、その年の給与に対する源泉徴収について徴収猶予・還付を受けた方

また、年の中途で退職した方は原則として対象外ですが、海外転勤で非居住者になった方、死亡退職の方、12月分の給与を受けた後に退職した方、パートタイマーなどでその年の給与総額が123万円以下の方(退職後にその年の給与を受ける見込みがない場合)などは、年の中途で年末調整を行う対象になります。

なお、毎月の給与から引かれているのは所得税だけではなく、2026年4月分からは医療保険の保険料とあわせて子ども・子育て支援金の徴収も始まっています。子ども・子育て支援金の料率0.23%と年収別の月額(年収400万円で月384円)

2. 2026年分の控除額は前年と同じ枠組みです

国税庁No.1199の表では、基礎控除は納税者本人の合計所得金額に応じて次のように定められています。令和7年分(2025年分)と令和8年分(2026年分)は同じ額です。

  • 合計所得132万円以下:95万円
  • 132万円超336万円以下:88万円
  • 336万円超489万円以下:68万円
  • 489万円超655万円以下:63万円
  • 655万円超2,350万円以下:58万円

2,350万円を超えると48万円・32万円・16万円と段階的に下がり、2,500万円超はゼロです。

給与所得控除についても、現行の表(No.1410)では収入190万円までが65万円が最低額とされています。

2026年分の基礎控除(合計所得別)
合計所得132万円以下
95万円
336万円超489万円以下
68万円
655万円超2,350万円以下
58万円

3. 変わるのは2027年分(令和9年分)から

同じ表の右端の列が令和9年分以後です。ここで132万円超の区分に付いていた上乗せがなくなり、一律58万円になります。

  • 合計所得132万円以下:95万円のまま
  • 132万円超2,350万円以下:58万円(88万・68万・63万の区分がなくなります)

多くの給与所得者にとっては、2026年分の年末調整が「上乗せ後の額で精算される最後の年」になります。2027年の手取りを見て驚かないために、この一点は頭に置いておく価値があります。

⚠️ 施行日について
この改正規定は2025年(令和7年)12月1日に施行されています。施行日前の適用関係については、国税庁が「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A」を公開しています。

4. 扶養に入れている家族の収入ライン

扶養親族に該当するかどうかの所得要件は、国税庁No.1180の注記により合計所得金額58万円以下です(令和7年分から適用)。給与だけの方なら、給与所得控除65万円を差し引く前の収入123万円以下が目安になります。

年末調整の直前に家族のアルバイト収入を集計しはじめると間に合わないことがあります。秋のうちに一度、見込み額を確認しておくほうが現実的です。

なお、19歳以上23歳未満の親族については特定親族特別控除が設けられており、所得が一定の範囲にある場合に控除を受けられます。控除額には上限が定められているため、対象になりそうな家族がいる場合は勤務先の案内で確認してください。

5. 提出する書類

1
控除証明書を1か所に集める
2
家族の所得見込みを確認
3
申告書に記入して提出
4
残る控除は確定申告へ

主な書類は次のとおりです。

  1. 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  2. 給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書(合同様式)
  3. 給与所得者の保険料控除申告書

住宅ローン控除の2年目以降は別途「住宅借入金等特別控除申告書」も必要になるため、誰もが同じ枚数を出すわけではありません。勤務先から渡された分だけを確認してください。

6. 年末調整では処理できないもの

次の控除は年末調整では対応できず、確定申告が必要です。

  • 医療費控除(セルフメディケーション税制を含む)
  • 寄附金控除(ふるさと納税でワンストップ特例を使わない・使えない場合)
  • 住宅ローン控除の1年目
  • 雑損控除 など

会社に提出して終わり、とはならないケースがあります。医療費のレシートを年内に捨ててしまうと、翌年の確定申告で使えるものが手元に残りません。

⚠️ 出典と確認時点
この記事は2026年8月4日時点で国税庁タックスアンサー(No.1199・No.1180・No.1410・No.2665、いずれも令和7年4月1日現在法令等)を確認して整理したものです。実際の記入・判断は勤務先の案内と国税庁の公表内容でご確認ください。

なお、支出が戻る仕組みは税金の控除だけではなく、資格取得の費用には雇用保険側の給付があります。資格講座の受講料が雇用保険から20%または最大80%戻る教育訓練給付

要点の確認

  • 年末調整=毎月の概算と本来の税額の差を精算する手続き
  • 2026年分の基礎控除は2025年分と同額(132万円以下なら95万円ほか)
  • 上乗せがなくなり一律58万円になるのは2027年分(令和9年分)から
  • 扶養親族の所得要件は58万円以下(給与のみなら収入123万円以下)
  • 医療費・ふるさと納税(ワンストップ外)・住宅ローン1年目は確定申告へ

今年の秋にできることは多くありません。届いた控除証明書を1か所に集めること、家族の収入見込みを一度聞いておくこと。この2つで、記入で迷う時間はかなり減ります。

10月に勤務先へ書類が配布され、11月に国税庁の年末調整関連ページが更新され次第、本記事を更新します。

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