冷蔵庫は大きいほど電気を食うとは限りません|国の省エネ性能カタログでは401〜450Lの平均が286kWh/年、351〜400Lの346kWh/年より小さいです

冷蔵庫の買い替えと年間消費電力量
くらしとお金
容量を一段下げると、電気代は下がらないことがあります
くらしとお金ラボ

冷蔵庫を買い替えるとき、多くの人が容量で迷います。そして「大きいほど電気を食う」と考えて、一段小さいほうへ寄せます。ところが国が出している資料を開くと、そこが素直な右肩上がりになっていません。

資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2025年版」には、容積帯ごとの年間消費電力量の最大・平均・最小が載っています。351〜400Lの平均は346kWh/年。ところが401〜450Lの平均は286kWh/年で、こちらのほうが小さい。451〜500Lは270kWh/年501L以上でも280kWh/年です。

つまり容量を下げても、機種によっては消費電力量が下がりません。見る場所は容量ではなく、年間消費電力量(kWh/年)という数字そのものです。

容積帯別の平均年間消費電力量が逆転していることを示すカード 351から400リットルの平均が346キロワット時、401から450リットルの平均が286キロワット時であることを示すカード 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」 351〜400Lの平均 346kWh/年 401〜450Lの平均 286kWh/年 出典:同カタログ(2026年8月17日取得)

1. 買い替えで減る分は「約15〜24%」と国が書いています

まず、そもそもどれだけ減るのか。資源エネルギー庁の省エネポータルには、こう書かれています。「今どきの冷蔵庫は10年前と比べると約15〜24%の省エネ」。同じページで、エアコンは約13%、電球形LEDランプは白熱電球と比べて約86%とされています。

ここで正直に書いておきます。10年前の機種の年間消費電力量が何kWhだったのか、その実数値は公表資料から確認できませんでした。国が出しているのはこの%表記までで、新旧を並べた kWh の数字にはたどり着けていません。ですので本稿では、「約15〜24%」という幅そのものを、国の公表値として扱います。

幅が15%から24%まで開いているのも、そのまま受け取るところです。買い替えれば必ず24%減る、という話ではありません。

省エネの%表記には、出どころをたどると伝聞にとどまる数字もあります。「1℃で10%の節電」の出どころが伝聞だったというサーキュレーター併用の検証

2. ラベルの★は、いまは41段階です

店頭の統一省エネラベルは、以前と中身が変わっています。資源エネルギー庁の説明はこうです。「これまでは製品の省エネ基準達成率に応じて5段階の★の数を決めていました」が、新しいラベルでは「製品の省エネ性能そのもの(kWh/年・lm/Wなど)を評価基準に変更し、多段階評価点(★の数)を算出」する。そして「多段階評価点の高い順に5.0~1.0までの41段階の数字と★の数で表示します」

冷蔵庫はこのラベルの対象機器に入っています。ただし比較の土台には条件があって、「電気冷蔵庫の場合、出荷数量が多い区分等の省エネ基準とは、定格内容積375L以下の冷気強制循環方式もしくは冷気自然対流方式の目標基準値です」と書かれています。

もう一つ、ラベルには省エネ性マークが付きます。これは目標年度2021年度の省エネ基準の達成状況を示すもので、達成率が100%以上なら緑色、100%未満ならオレンジ色です。同じ売り場に緑とオレンジが混ざって並んでいる、ということでもあります。

そして逆転が起きる理由も、国自身がラベルの解説で書いています。「一般的に、容積が大きいほど年間消費電力量は大きくなりますが、インバータ制御や真空断熱材を導入した製品は、省エネ性が高くなっています」。大型機に省エネ技術が先に載る、という構図です。

容積帯別の平均(省エネ性能カタログ2025年版)
定格内容積
平均 年間消費電力量
年間の目安電気料金
251〜300L
314kWh/年
8,483円
301〜350L
340kWh/年
9,191円
351〜400L
346kWh/年
9,335円
401〜450L
286kWh/年
7,735円
451〜500L
270kWh/年
7,294円
年間の目安電気料金は 年間消費電力量 × 27円/kWh で計算された値

3. 同じ450Lでも、機種で数字が違います

平均だけ見ていると個別の判断ができないので、カタログに載っている実際の型番でも並べておきます。

パナソニックのNR-F45HY2-Nは、定格内容積450Lで年間消費電力量261kWh/年、多段階評価点3.8、省エネ基準達成率102%、年間の目安電気料金は7,050円。同じ450LのNR-E45RY2-S266kWh/年で、評価点3.6、目安電気料金7,180円です。容積が同じでも、ここで130円分かれます。

NR-F45HY2については、メーカー公式の仕様ページにも当たりました。定格内容積450L・年間消費電力量50Hz/60Hzとも261kWh/年・省エネ基準達成率102%とあり、国のカタログの値と一致していました。カタログの数字はメーカー公表値と同じものだと確認できたことになります。

幅が大きいほうも書いておきます。三菱電機のMR-WX47F-Wは470Lで245kWh/年・評価点4.1・達成率108%、同じ三菱のMR-N40J-Wは403Lで334kWh/年・評価点2.2・達成率73%です。容積が小さいほうが89kWh/年多く使う組み合わせが、同じメーカーの中にあります。

なお三菱電機・シャープ・日立については、メーカー公式ページの仕様表が画面上で生成される形式で、公式ページからの数値取得ができませんでした。上の245kWh/年と334kWh/年は国のカタログPDFから読んだ値です。

4. 円に直す単価は、2つ流通しています

ここは間違えやすいところです。ラベルやカタログの「年間の目安電気料金」は、27円/kWhで計算されています。資源エネルギー庁の説明にそのまま書かれています。「平均的な使用実態等(周囲温度32℃及び16℃、冷蔵室及び冷凍室への食品の代替となる水の投入等)を基準に算出した年間消費電力量(kWh/年)に27(円/kWh)を乗じたもの」。

一方で、家電の広告や節約の試算でよく出てくる単価は別です。公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している目安単価で、こちらは令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込)です。同協議会は「電力取引報」の集計値などに基づいて算出していると説明しています。

ですから、カタログの「年間7,050円」と、どこかで見た「31円で計算すると年◯円」は別の物差しです。混ぜて引き算をすると数字が合いません。機種を比べるときは、円に直す前にkWh/年どうしで比べるのが確実な手順になります。

5. 売り場で見る順番

容量で決める前に見る3つ 1
候補3台の年間消費電力量(kWh/年)だけをメモに書き出す
2
省エネ性マークの色(緑か、オレンジか)を3台とも確認する
3
一段上の容量にも同じ数字があるか見て、下回っていないか比べる

3つ目を入れているのは、この記事の出発点そのものだからです。401〜450Lの平均286kWh/年が、351〜400Lの平均346kWh/年を下回っている。売り場でこの逆転が起きているかどうかは、候補の型番の数字を並べれば1分で分かります。

回収年数の計算は本稿では出しません。本体価格は店舗と時期で動くもので、公表された固定値がないためです。書けるのは、1年に使う電力量が何kWh違うかまでです。

出典と確認時点
この記事は2026年8月17日時点で、資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」PDF、同「統一省エネラベル」ページ、同 省エネポータル「省エネ型製品への買換え」ページ、パナソニック公式仕様ページ、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 公式Q&Aを取得して整理した一般的な内容です。10年前の機種の年間消費電力量(kWh/年)の実数値は公表資料から確認できなかったため、本稿では「約15〜24%の省エネ」という国の%表記のみを扱っています。三菱電機・シャープ・日立のメーカー公式ページは仕様表が画面上で生成される形式のため取得できず、三菱電機の数値は国のカタログPDFから読んだ値です。年間の目安電気料金は27円/kWh、公取協の目安単価は31円/kWh(令和4年7月22日改定)で、両者は別の物差しです。カタログと単価は改定されます。購入時点の数値は各メーカーと国のカタログでご確認ください。

要点の確認

  • 省エネ性能カタログ2025年版の平均は351〜400Lで346kWh/年、401〜450Lで286kWh/年と逆転している
  • 451〜500Lは270kWh/年、501L以上は280kWh/年で、大型帯のほうが小さい
  • 理由は国自身が「インバータ制御や真空断熱材を導入した製品は、省エネ性が高くなっています」と説明
  • 統一省エネラベルの多段階評価点は5.0〜1.0の41段階、比較の土台は定格内容積375L以下の目標基準値
  • 省エネ性マークは目標年度2021年度、達成率が100%以上なら緑・100%未満ならオレンジ
  • 同じ450LでもNR-F45HY2-Nは261kWh/年、NR-E45RY2-Sは266kWh/年
  • 同じ三菱電機でも470Lが245kWh/年、403Lが334kWh/年で、小さいほうが89kWh/年多い
  • 買い替えで減る分の国の公表は「約15〜24%の省エネ」という幅のみ
  • 円換算の単価はラベルが27円/kWh、公取協の目安単価が31円/kWhで別物

候補3台の kWh/年 を書き出して、一段上の容量にも同じ数字を探す。判断はその並びで決まります。

省エネ性能カタログは毎年改訂されます。次年版で容積帯別の平均が入れ替わったら、本記事も見直します。

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いま使っている冷蔵庫の扉の内側にある型番を控えて、候補と kWh/年 を並べるところから。
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